Bi'laxsコラム

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更年期に眠い原因とは?対策や眠気以外の症状もわかりやすく解説

「更年期にさしかかって眠気を感じるようになった…」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

本記事では、そのような人向けに更年期で眠くなる原因や対策、眠気以外の症状について、詳しく解説していきます。最後まで読み終えていただければ、更年期に眠気を感じる原因がわかり、日常生活に支障をきたさないように対策できるでしょう。

更年期の眠気でお悩みの人は、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

● 更年期に眠い3つの原因

● 更年期に眠いときの対策5選

● 更年期による眠気以外の症状

更年期に眠い3つの原因

更年期とは、閉経の前後5年を指し、45〜55歳程度とされています。

「若い頃は生理前や生理中に強い眠気を感じていたのに、更年期では生理に関係なく眠い」と感じる人は少なくありません。更年期に眠い原因は、主に以下の通りです。

  • ・ホルモンバランスの変化
  • ・感情の浮き沈みやストレス
  • ・加齢による睡眠の質・量の変化

上記3つの原因について、詳しく解説していきます。

ホルモンバランスの変化

更年期にさしかかると、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が急激に減少します。その結果、ホルモンバランスが崩れて不眠や寝不足といった症状が現れやすいとされています。

また、ホルモン補充療法でエストロゲンを投与した人は、睡眠の質が上がったことがわかっています。

ホルモンバランスの乱れは動悸や息切れといった、さまざまな症状を引き起こす原因です。夜間の睡眠の質が低下することで、しっかり睡眠時間を確保しているにもかかわらず、熟眠感が得られません。その結果、日中に強い眠気に襲われやすくなるでしょう。

感情の浮き沈みやストレス

更年期は、子どもの成長や自立、夫の定年による夫婦関係の変化など、ライフステージの大きな節目となる時期です。

身体能力や体力の低下など、加齢に伴う身体の衰えも自覚しやすくなります。喪失感やストレスを感じ、感情の浮き沈みに悩む更年期の女性は少なくありません。

また、先述した通り更年期は女性ホルモンのバランスが変化するため、自律神経のバランスにも影響します。自律神経のうち、交感神経が優位になってしまうと、興奮や心拍数の上昇、イライラ、不安を感じやすいといえるでしょう。

昂った感情によって、入眠後も脳の興奮が鎮まりにくく、睡眠の質の低下を招きます。

加齢による睡眠の質・量の変化

更年期障害の症状が出ていないにもかかわらず、日中の強い眠気に悩まされている場合、加齢に伴う睡眠の質の変化が影響しているおそれがあります。

なぜなら、健康な人であっても年齢と共に睡眠は浅く・短く変化していくからです。

本来、睡眠は身体が休息するレム睡眠、脳が休息するノンレムの2種類あります。これらは、90分周期で、それぞれ睡眠を繰り返すとされています。特にレム睡眠は、身体が休んでいても脳は記憶の整理などで活発に活動しているので、眠りが浅くなりやすいといえるでしょう。

加齢に伴いノンレム睡眠が減り、ノンレム睡眠が長引くと、熟睡できません。したがって、眠っているはずであるのに脳が休めていないため、日中の過度な眠気につながります。

また、加齢に伴い血管年齢が上がると、全身の血の巡りが悪くなり、冷えを自覚しやすくなります。手足の冷えが気になり、寝つきが悪くなってしまう更年期の人は少なくありません。

更年期に眠いときの対策5選

日中の強い眠気は、仕事や日常生活に支障をきたします。

また、集中力を欠いてしまうので、車の事故や仕事のミスといったリスクが上がるので、適切な対策を講じることが大切です。更年期に眠いときの対策をチェックしましょう。

  • ・生活習慣を見直す
  • ・就寝前はスマートフォンなどの利用を避ける
  • ・食事の内容を見直す
  • ・睡眠環境を改善する
  • ・症状が深刻な場合は婦人科を受診する

上記5つの対策を解説していくので、日常生活の中に取り入れましょう。

生活習慣を見直す

更年期の女性は自律神経の乱れが多く見られます。

以下のような、規則正しい生活習慣に努めて健康的な生活を意識しましょう。

生活習慣の改善ポイント 期待できる効果
毎日同じ時間に就寝・起床する 体内時計を整える
日光を浴びる セロトニンが増えて感情の浮き沈みやイライラを防ぐ

夜にメラトニンが増えて睡眠の質が向上する

寝る前にリラックスできる時間を設ける 副交感神経が優位になり、熟睡しやすい
就寝前のアルコールやカフェインは控える 寝つきが良くなり、夜間に目が覚めてしまうのを防ぐ

夜間の睡眠が浅いと、疲れがとりにくくなるため起床時間が遅くなりがちです。眠気に左右されず、快適に1日を過ごせるように、起床のタイミングから生活習慣の改善を心がけましょう。

就寝前はスマートフォンなどの利用を避ける

就寝前にスマートフォンやパソコンの操作、テレビ鑑賞は控えましょう。スマートフォンやパソコン、テレビの画面からは、ブルーライトと呼ばれる、明るく強い光を放ちます。

就寝前に明るく強い光が目に入ると脳が覚醒状態になってしまうことが、眠りづらくなってしまう原因です。

なかなか寝つけないからといって、寝る直前までスマートフォンを操作してしまう女性は少なくありません。しかし、かえって寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりします。

したがって、就寝する1時間前にはスマートフォンやテレビの画面を見るのは避けましょう。

また、就寝前は温かいハーブティーを飲んだり、アロマキャンドルを楽しんだりなど、穏やかに過ごすことが大切です。

食事の内容を見直す

栄養バランスの偏った不規則な食事が多い人は、食事の内容を見直しましょう。

特に、睡眠の質を高める栄養素は以下の通りです。

栄養素 食材 効果・効能
トリプトファン ● 乳製品

● 青魚

睡眠の質を向上するセロトニンやメラトニンを作るもととなる
グリシン ● 肉類

● 魚介類

深部体温を低下させて睡眠の質を向上させる
GABA ● 発芽玄米 抗ストレス作用や神経の興奮を鎮め、睡眠の質を向上させる
マグネシウム ● ひじき

● 昆布

● わかめ

メラトニンや、睡眠に関係するレニンというホルモンの働きに関与

和食中心の食事を心がけることで、自然に必要な栄養素を摂取できます。忙しくて食事を準備する時間がない場合、バナナや牛乳など手軽に摂れる食材を活用しましょう。

ただし、特定の食材ばかりを摂ると栄養が偏ってしまい、健康を損なうおそれがあります。睡眠の質を高める食材を取り入れながらも、栄養バランスの整った食事であることが大切です。

睡眠環境を改善する

寝室や寝具といった睡眠環境を整えることで、ぐっすり眠りやすくなります。睡眠環境の改善ポイントは以下の通りです。

  • ・部屋の明るさ
  • ・温度や湿度、騒音
  • ・枕の高さや柔らかさ
  • ・布団の重さや布の質

自分好みに合っている寝具を選び、快適に過ごせる睡眠環境を整えてください。

冷え性による不眠に悩んでいるなら、睡眠前の入浴でしっかり身体を温めましょう。入浴は就寝1時間前までに済ませておくのがおすすめです。約38度のぬるま湯にしっかり浸かることで、副交感神経が優位になります。一度温まった体温が徐々に低下するのに伴い、自然に眠気が誘発される点も嬉しいポイントです。

ただし、熱すぎるお湯は交感神経が優位に働いてしまい、かえって寝つきが悪くなるので注意しましょう。アロマオイルや入浴剤、バスソルトを使用すると、さら湯よりも体の芯まで温まり、全身の血行が促されます。

症状が深刻な場合は婦人科を受診する

更年期による眠気が深刻で、日常生活に支障をきたしている場合、婦人科の受診を検討しましょう。「更年期が過ぎれば良くなる」と、我慢してしまうのはおすすめできません。

婦人科では、更年期の症状を和らげるさまざまな治療が受けられます。

  • ・低下した女性ホルモンを補填する治療
  • ・女性ホルモンのバランスを整える薬剤の処方
  • ・症状を和らげる薬剤の処方
  • ・心身の不調に関する悩みの相談

上記のように適切な治療を受けることで、眠気を始めとした様々な不調の軽減が期待できます。

また、婦人科だけでなく更年期障害の専門外来の受診もおすすめです。

1人で更年期による辛さを抱え込まずに、医療機関でケアしましょう。

更年期による眠気以外の症状

更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が低下や自律神経の乱れによって、さまざまな不調を引き起こします。更年期による眠気以外の症状は、主に以下の通りです。

  • ・発汗
  • ・頭痛やめまい
  • ・動悸や息切れ
  • ・顔や体のほてり

上記4つの症状について解説していくので、当てはまる症状はあるかチェックしましょう。

発汗

発汗は、更年期の代表的な症状の1つです。

更年期症状で発汗が起こる原因は、血管の収縮や拡張をつかさどる自律神経の働きが乱れるためです。自律神経がスムーズに働かなくなると、体温調節が難しくなり、外気温や体温が上昇していなくても放熱指令が出ます。

更年期症状による発汗は、出てほしくないタイミングで生じることが多いといえます。

  • ・緊張したとき
  • ・心配なことや不安なことを思い出したとき
  • ・温かいものを食べたり、飲んだりしたとき
  • ・アルコールを飲んだとき

発汗は顔から起こり、頭部や胸部へ広がるのが特徴です。目の淵や耳の後ろなど、これまでに発汗の気にならなかった箇所でも、サラサラとした汗が出ます。

また、汗の量には個人差があり、朝起きるとパジャマやシーツが汗で濡れている人も夜中に大量の汗で目覚める人もいます。

発汗による不快感は、睡眠を浅くさせたり、夜中や明け方に目を覚ましたりする原因となります。発汗が気になる場合は、首筋を冷やすと治まりやすくなるためおすすめです。

頭痛やめまい

更年期には、頭痛やめまいを引き起こしやすくなります。

  • ・頭の片側が鼓動に合わせて痛む片頭痛
  • ・頭全体が締め付けられたように痛む緊張性頭痛

更年期に頭痛が起こる原因は、血行不良です。自律神経がうまく機能せず、血液循環が悪くなった結果、頭痛を引き起こすおそれがあります。

特に緊張性頭痛の場合、目や肩に力が入ったり、精神的ストレスが加わったりすることで、頭部の筋肉が過度に緊張してしまいます。肩こりや倦怠感といった、他の症状が同時に起こるケースも少なくありません。

また、めまいも更年期で起こりやすく、めまいの度合いは人それぞれです。症状がひどい人だと、めまいによって真っ直ぐに歩けないこともあります。

頭痛やめまいの症状が生じた際は、光や音の静かな場所で休みましょう。片頭痛は冷やし、アルコールやカフェインを控えることが大切です。

ただし、緊張性頭痛の場合は長時間同じ姿勢でいることを避け、血行を良くするためのストレッチを心がけてください。

動悸や息切れ

更年期では、激しく体を動かしたわけではないのに、動悸や息切れを起こす場合があります。場所やタイミングを問わずに発生するのが特徴です。

睡眠中に動悸や息切れを自覚し、目を覚ましてしまう人もいます。動悸が息切れの症状が現れたら、椅子や横になれる場所で楽な姿勢をとり、ゆっくりと深呼吸しながら安静にしましょう。

安静にしていても症状がおさまらない場合や悪化する場合は、他の病気が隠れているおそれがあります。更年期障害か他の病気かの判断が難しいと感じたら、できるだけ早めに医療機関の受診を検討しましょう。

顔や体のほてり

発汗や動悸、ほてりは「ホットフラッシュ」と呼ばれ、更年期の代表的な症状です。

更年期の女性のおよそ60%が経験し、そのうちの10%は日常生活に支障をきたすほど重症化するといわれています。

更年期障害の後半にあたる、50歳以降で次第に症状が和らぐケースがほとんどです。顔や体のほてりが気になる場合、服のボタンを開けたり、衣類をゆるめたりして通気性を良くしましょう。

ゆっくりと深呼吸を繰り返し、ほてりが落ち着くのを待つのも有効です。

更年期に眠いときは自分の体調と向き合おう

更年期の女性は、女性ホルモンのバランスの変化や、自律神経の乱れが起こりやすい状態です。

夜間の睡眠の質が低下し、日中の眠気の原因になります。

生活習慣や食事習慣は改善し、就寝前のスマートフォンの操作は控えましょう。

更年期症状によって日常生活に支障をきたしたり、その他の病気のおそれがあったりした場合、医療機関を受診して適切な治療を受けることも大切です。

更年期は加齢に伴う、体調の変化が生じているシグナルです。本記事で紹介した、更年期における眠気や他の症状を把握し、対策しましょう。