Bi'laxsコラム

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更年期にむくみやすくなる原因とは?解消するための対策も徹底解説

「更年期にさしかかり、むくみが気になるようになった」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

ここでは、更年期にむくみやすくなる原因や対策などについて詳しく紹介していきます。更年期によるむくみ症状で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

● そもそも更年期とは?

● 更年期にむくみやすくなる原因

● 更年期によるむくみを解消するための対策

● 更年期のむくみに関するよくある質問

そもそも更年期とは?

更年期とは、閉経の前後5年間を合わせた期間で、45〜55歳頃を指します。

女性ホルモンであるエストロゲンや、プロゲステロンが大幅に減少するため、体や心にさまざまな変化が現れる時期です。

更年期によって起こる、代表的な症状を確認してみましょう。

身体的症状 むくみやほてり、めまい、動悸、肩こり、汗の量が増える、体のだるさ、腰痛
精神的症状 イライラ、気分の落ち込み、情緒不安定、睡眠障害

感じる症状や程度には個人差があるものの、多くの女性に更年期特有の全身症状が現れます。

更年期の女性は、子どもの自立や親の介護、加齢に伴う容姿の変化といった、さまざまな問題を抱える時期です。

精神的なストレスが加わり、更年期症状を悪化させてしまうケースは少なくありません。

また、女性ホルモンの分泌量は30代後半から40代半ばにかけて、徐々に低下します。

更年期に差しかかる前に、疲れやすさやイライラといった症状が現れる場合もあるので、更年期前の若い女性も注意が必要です。

更年期にむくみやすくなる原因

更年期はさまざまな原因によって、むくみ症状が起こりやすくなります。

更年期にむくみやすくなる原因は以下の通りです。

  • ・加齢による筋力低下
  • ・女性ホルモンの減少
  • ・自律神経の乱れ
  • ・体の冷え

上記4つの原因について詳しく解説するので、チェックしていきましょう。

加齢による筋力低下

体中を巡るリンパは、不要になった脂肪やたんぱく質などの老廃物を回収する働きがあります。

しかし、筋力の低下によってリンパや血行の流れが悪くなり、細胞と細胞の間に水分や老廃物が溜まりやすくなります。

余計な水分や老廃物がなかなか排出されないため、むくみ症状として現れます。

筋肉量は25歳頃にピークを迎え、その後ゆるやかに減少していくものです。そのため、更年期の女性は加齢に伴う筋力の低下によって、むくみ症状が起こりやすくなります。

女性ホルモンの減少

女性ホルモンのエストロゲンは、脂肪を分解して肥満を抑えたり、水分の排出を促したりする作用があります。

更年期にさしかかり、エストロゲンの急激な減少が始まると代謝が低下し、むくみの原因となるでしょう。

自律神経の乱れ

更年期の女性は、女性ホルモンのエストロゲンが減少するため、自律神経が乱れやすくなります。

自律神経が乱れると、血管の収縮や拡張をうまくコントロールできなくなり、血行不良によるむくみを引き起こしやすくなります。

体の冷え

体が冷えると血行不良になり、老廃物や水分が排出されず、むくみ症状が起こりやすくなります。

ほてりやのぼせ、発汗多量といった更年期特有の代表的な症状が現れているのにもかかわらず、下半身の冷えに悩む更年期の女性は少なくありません。

体が冷える原因は、血行不良やストレス、筋肉量の低下、自律神経の低下などさまざまです。

特に更年期は、卵巣機能の低下が原因で、女性ホルモンの減少や自律神経の乱れが起こり、冷えの原因となります。

普段から冷えを自覚している女性は、むくみ症状を引き起こしやすいので注意が必要です。

更年期によるむくみを解消するための対策

むくみ症状は適切なケアをせずに放置していると、セルライトを溜めやすくなったり、疲れやすくなったりするおそれがあります。

そこで、むくみ症状を解消するための適切な対策を取り入れましょう。更年期によるむくみを解消するための対策は、主に以下の通りです。

  • ・定期的にマッサージする
  • ・適度な運動を心がける
  • ・栄養バランスの取れた食事をとる
  • ・漢方薬を試す
  • ・体をあたためる
  • ・症状がひどい場合は医師に相談する

上記6つの対策について詳しく紹介していくので、むくみ解消に役立ててください。

定期的にマッサージする

むくみの気になる箇所を定期的にマッサージすると、血行促進や老廃物の排出を促せます。

したがって、時間や場所を選ばずにできるマッサージは、時間が空いたタイミングで積極的に行いましょう。特に、入浴後は体が温まり血行が促進されている状態です。

マッサージによって体がほぐれやすくなっているので、入浴後のマッサージを習慣づけると良いでしょう。

適度な運動を心がける

運動すると、心拍数の上昇や筋肉の収縮によって血行が良くなり、むくみの軽減が期待できます。ただし、負荷のかかる激しい運動は、継続につながりにくいのでおすすめできません。

一方、軽く心拍数が上がる程度の運動なら手軽に続けられます。日常生活の中で無理なくできる、以下のような運動を取り入れてみましょう。

  • ・エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う
  • ・電車やバスの中では座らずに立つ
  • ・1駅手前で降りて歩く

忙しくて運動する時間を確保できない場合、座りながらつま先を左右交互に上げ下げするだけでも血行が促進されます。

適度な運動はむくみ対策だけではなく、生活習慣病の予防やストレスの緩和などにも役立つのでおすすめです。

栄養バランスの取れた食事をとる

むくみ対策には、栄養バランスの取れた食事も欠かせません。

「むくみを解消する作用があるから」と、偏った食材ばかりの食生活では栄養失調を招き、かえってむくみ症状を悪化させるおそれがあるためです。

むくみ対策におすすめの食材や調理法、食事の摂り方は以下の通りです。

  • ・カリウムが豊富な野菜や果物、海藻類を積極的に摂る
  • ・体を温める食材(たまねぎやカカオ、生姜、ニンニク、唐辛子など)を料理に取り入れる
  • ・体を冷やす生野菜よりも温野菜を選ぶ
  • ・冷たいものより温かいものを飲食する

尿の排出を促す作用のあるカリウムの多い食材は、余計な水分や老廃物の排出が期待できます。

ただし、腎臓の機能が低下している場合、カリウム豊富を多く摂りすぎると、高カリウム血症を引き起こす場合があるので、医師に摂取量を事前に相談しましょう。

また、更年期のほてりや発汗に悩んでいると、冷たいものを飲食する機会が増えます。

特に、夏場など暑い時期にはアイスクリームや冷えた飲み物、果物などを好んでしまいがちです。しかし、冷たいものは体を冷やしてしまうので、摂りすぎには注意してください。

漢方薬を試す

更年期のむくみ対策では、漢方薬も有効な手段の1つです。

緩やかな体質改善が期待できるので、婦人科の治療でも取り入れられています。むくみ以外に生じている、更年期のさまざまな症状の緩和にも役立つ点が魅力的です。

しかし、漢方薬は体質や症状に合わないものを選んでしまうと、かえって症状が悪化したり体調不良になったりします。したがって、自己判断で内服を開始するのではなく、かかりつけ医や産婦人科を受診して処方してもらいましょう。

体をあたためる

むくみの原因である血行不良を解消するため、体を温めましょう。

冷えの予防策としておすすめの方法は、主に以下の通りです。

  • ・入浴はシャワーだけでなく湯船にもしっかりと浸かる
  • ・カーディガンやストールを用意する
  • ・エアコンの冷風が当たらないように角度や温度を調整する
  • ・厚手の靴下やネックウォーマーを着用する

冬場だけではなく、エアコンを使用する夏場も体は冷えやすいものです。体を温めても和らがない更年期の冷えは、漢方薬によって和らぐこともあります。

また、頑固な冷えに悩んでいる更年期の女性は、医療機関の受診も検討しましょう。

症状がひどい場合は医師に相談する

ひどいむくみ症状は、かかりつけ医や産婦人科を受診して、相談しましょう。

適切なケアを取り入れているにもかかわらず、なかなかむくみ症状が解消されない場合、疾患が原因かもしれません。むくみ症状が起こる主な疾患は以下の通りです。

疾患 原因 むくみ以外の症状
心不全 心臓の働きが弱まり、血液が全身を巡らなくなるため、血液が滞ってむくみが生じる 動悸や息切れ、疲れやすさ、

体のだるさなど

腎不全 腎臓の機能が低下するため、濾過した血液を尿として排出できず、余分な水分がたまる 高血圧や疲れやすさ、食欲の低下、

吐き気、貧血、不整脈など

甲状腺疾患 甲状腺の機能が低下して、体内の水分代謝がうまく行えず、むくみにつながる まぶた・顔の腫れ、声が枯れる(嗄声)、皮膚の乾燥、抑うつ、認知機能の低下、徐脈、月経の異常など
肝硬変 肝臓が硬くなりたんぱく質を合成できず、血管から細胞の隙間に水分が漏れ出てむくみが生じる 白目や皮膚の黄疸、腹水、

手の震え(振戦)など

その他 下肢静脈瘤やリンパ浮腫、

栄養失調など

原因疾患によってさまざま

特に急いで受診した方が良いむくみ症状は、突然のむくみや、片足のみのむくみです。

こうした症状が出る場合は、血栓や下肢静脈瘤といった疾患が疑われます。

また、しつこいむくみやむくみ以外の症状に悩まされている女性も、できるだけ早めの受診がおすすめです。

更年期のむくみに関するよくある質問

更年期はむくみを始めとしたさまざまな症状が現れるため、不安や悩みを感じる女性は少なくありません。更年期のむくみに関するよくある質問は以下の通りです。

  • ・更年期のむくみに効く食べ物はある?
  • ・更年期で痩せる人と太る人の違いは?
  • ・更年期のむくみはいつまで続く?

上記3つの質問に回答していくので、悩みや疑問の解決に役立ててください。

更年期のむくみに効く食べ物はある?

先述した通り、更年期のむくみ症状を和らげる食べ物は、カリウムが豊富な食べ物や、体を温める食べ物です。

まずは、カリウムが豊富な食べ物や含有量を以下の表でチェックしてみましょう。

食材の種類 食品名・加工状態 可食部100gあたりの含有量
野菜 切り干し大根(乾燥) 3,500mg
ドライトマト(乾燥) 3,200mg
アボカド 720mg
果物 バナナ(乾燥/生) 1,300mg/360mg
メロン 350mg
キウイフルーツ 300mg
海藻類 刻み昆布 8,200mg
干ひじき(乾燥) 6,400mg
わかめ(乾燥) 5,200mg

乾燥させた食品は水分が抜けて、100gあたりのカリウム含有量が増えます。一度で多量に食べるのは難しいので、日々の食事に少しずつ取り入れるのがおすすめです。

次に、体を温める食材も以下の表で確認してみましょう。

体を温める野菜 生姜や唐辛子、にんじん、かぼちゃ、ごぼう、大根、蓮根、玉ねぎ、じゃがいも
体を温める果物 りんごやさくらんぼ、オレンジ、ぶどうなど
体を温める発酵食品 納豆や味噌、キムチ、ヨーグルト、チーズなど

温かい紅茶に生姜を入れたり、コンポートにした果物類を温かいまま食べたりするといった、調理法の工夫によって効果的に体を温められるでしょう。

更年期で痩せる人と太る人の違いは?

更年期は、女性ホルモンの影響でそれ以前と比べて太りやすい時期です。

女性ホルモンであるエストロゲンには、皮下脂肪を適切な量に保つ作用があります。更年期はエストロゲンの分泌量が減少するため、脂質の代謝が低下し脂肪が蓄積しやすい状態です。

また、むくみの放置も、皮下脂肪が大量に作られてしまう原因となります。なぜなら、リンパ管内の脂肪酸がリンパ管から漏れ出て、周囲の脂肪細胞を増やしてしまうからです。

更年期にさしかかり、太りやすくなる女性もいる一方で痩せてしまう女性もいます。これは、更年期特有の辛い症状に悩まされて、ストレスにより食欲が低下してしまうことによるものです。

体重の減少が目立つ場合、健康な体を維持するのに必要な栄養を摂れていない場合があります。

栄養失調や骨粗しょう症などによって健康を損なうおそれがあるため、産婦人科を受診して適切な治療を受けましょう。

更年期のむくみはいつまで続く?

むくみを始めとした更年期によるさまざまな症状は、50代後半〜60代前半頃に落ち着くとされています。なぜなら、女性ホルモンの急激な減少に体が慣れるまでに時間がかかるからです。

ただし、更年期の症状の現れ方や程度は個人差があるものです。ストレスや環境の変化によって症状が悪化する場合もあれば、精神的に緊張していて症状が現れにくい場合もあります。

親の介護で気を張っている間は症状が気にならなかったものの、一区切りついたタイミングでめまいや動悸に悩まされる女性もいます。更年期症状が落ち着かないからといって気にしすぎると、かえってストレスの原因となるので注意しましょう。

更年期以外の原因でむくみ症状が生じている場合もあるので、不安に感じたら産婦人科医の受診を検討することが大切です。

更年期のむくみは血行不良の改善を意識しよう

更年期のむくみ症状は、女性ホルモンの減少や自律神経の乱れ、血行不良などが原因で起こるとされています。

むくみ症状をそのまま放置していると、セルライトや疲労感の原因となるので適切なケアを心がけましょう。

特に、定期的なマッサージや適度な運動は滞った血行を促す効果としておすすめです。

また、むくみ症状が長引いたり、突然むくみ始めたりするようであれば、更年期以外の病気のサインかもしれません。

その場合は、なるべく早くかかりつけ医や産婦人科の受診を検討しましょう。