Bi'laxsコラム
おりものの臭いはどう対策する?臭いの変化と考えられる病気も解説
女性とおりものには密接な関係性を持っており、身体を守るために必要な分泌液です。
おりものの正体は、子宮や膣から出た古い細胞や皮脂腺などからできたものです。
「おりもの=身体の状態が悪い」というイメージを持つ方も多いですが、一概にそうとはいえません。
しかし、おりものの量や臭いなどでどうしても不快感が生じるのは事実です。
本記事では、おりものの臭いや考えられる病気などについて紹介していきます。
【この記事で分かること】
・おりものの臭いとは
・おりものの臭いを防ぐ対策や対処法7つ
・おりものの臭いが変化した時に考えられる病気
・おりものの臭い対策に関するよくある質問
そもそもおりものの臭いとは
冒頭でも紹介した通り、おりものとは子宮や膣から出た古い細胞や皮脂腺などからできており、本来なら身体を守るために必要な分泌液です。
身体の健康状態を知らせる大切な分泌液なのですが、状態によっては病気を知らせてくれる役割も担っています。
・正常なおりものの色と状態
・正常なおりものの臭い
・いつもと臭いが異なる場合は病気の可能性も
ここでは上記3つについて解説していきます。
●正常なおりものの色と状態
正常なおりものの場合、色は一般的に「透明」または「白乳色」です。
おりものは膣から出た古い細胞などが色々混じって排出されるので、ややクリーム色をしているくらいなら問題ありません。
お手洗いに行った際におりものの状態を確認してみてください。
下着に付くことで黄色味を帯びることもあるので、確認する際はトイレットペーパーを使うのがおすすめ。
そしておりものの状態ですが、やや粘り気がある状態が正常です。
ただしおりものの色や状態は、生理前後で大きく異なります。
おりものの量も人によってさまざまなので、ここでは「透明」または「白乳色」で、やや粘り気がある状態が正常と考えてもらって構いません。
●正常なおりものの臭い
おりものは本来、無臭であることが多いです。
ただしおりものは酸性なので、多少酸っぱい臭いがする時もあります。
特に生理前に臭いが強くなる傾向にあるので、生理予定日前に酸っぱい臭いがするという方は病気ではないので気にしなくても大丈夫です。
本人はもちろん、周りにも臭いが伝わることはないので神経質になる必要もありません。
●いつもと臭いが異なる場合は病気の可能性も
やや酸っぱいくらいの臭いなら問題ありませんが、以下に該当するようであれば病気の可能性も考えられます。
・いつもと違う腐敗臭
・腐った魚のような臭いなど
性病などが原因で強い臭いを発することもあれば、タンポンやコンドームなどを出し忘れてしまっていることも原因の1つです。
長時間生理用ナプキンやタンポンを交換しなかったりすると、膣内で雑菌が繁殖して臭いを発します。
悪臭だけでなく、陰部のかゆみや痛みを伴うこともあるので要注意です。
おりものの臭いを防ぐ対策や対処法7つ
おりものの臭いを出したくない、または改善したいという方のためにいくつか対策や対処法を紹介していきます。
具体的な対策や対処法は、以下の通りです。
・ナプキンをこまめに取り替える
・臭いの原因となる食べ物はなるべく避ける
・通気性の良い下着を身につける
・デリケートゾーン専用石けんで清潔を保つ
・ストレスや睡眠不足に注意する
・携帯用の消臭アイテムで臭い対策
・正しい方法で膣内を洗浄する
それぞれチェックして、自分が実践できるものから取り入れていきましょう。
●ナプキンをこまめに取り替える
生理中はあまりおりものの臭いはせず、経血の臭いが強めで分からないという方は多いです。
もちろん、生理中もおりものは出ます。
生理が終わっておりものの臭いを少しでも軽減したいという方は、生理中でもこまめにナプキンを取り替える習慣を身に着けましょう。
長時間ナプキンを身に着けていると雑菌の繫殖となり、臭いが強くなります。
近年では香り付きのナプキンや、臭いを吸収してくれるものも売っています。
生理中ではなく日頃からおりものシートを使用している方も、こまめに取り替えることで臭い防止になります。
●臭いの原因となる食べ物はなるべく避ける
食べた物で臭いが強くなることもあります。
バランスよく食事をしていれば問題ありませんが、毎日肉類や油が多い食事をしているとおりものの臭いに影響してきます。
臭いを少しでも抑えたい場合は、野菜や海藻類を中心とした食生活を心掛けましょう。
夏場は無性に冷たいものが食べたくなりますが、食べ過ぎてしまうと身体の冷えによって膣内環境が悪くなりやすいです。
雑菌繁殖につながることもあるので、冷たい食事はほどほどにしましょう。
●通気性の良い下着を身につける
デリケートゾーンは非常にムレやすく、かゆみにもつながります。
・締め付けが強い
・肌に合わない素材を使った下着など
摩擦やムレが生まれると臭いだけでなく、デリケートゾーンの黒ずみにもなるので極力避けることをおすすめします。
ムレるとおりものの臭いと混じってしまうことも考えられるので、要注意です。
●デリケートゾーン専用石けんで清潔を保つ
臭いが気になるからと、毎日ボディーソープでゴシゴシ洗っている方は要注意です。
ボディーソープは洗浄力が高い分、デリケートゾーンにとって刺激になりやすい傾向にあります
デリケートゾーンを洗うなら、専用の石けんを使用して清潔を保つのがおすすめです。
●ストレスや睡眠不足に注意する
免疫力の低下が原因で、臭いが発生します。
ストレスを抱えやすく、高頻度で夜更かしをする方は要注意です。
臭いは内側から改善することが可能なので、まずは生活習慣を見直すことから始めてみるのもおすすめです。
●携帯用の消臭アイテムで臭い対策
しっかりと対策していても、やはりふとした時に臭いは気になるもの。
そんな時は、外出先でも手軽に臭いケアができる携帯用の消臭アイテムを活用しましょう。
消臭アイテムのほとんどがシートタイプで、お手洗いに行くついでにサッとひと拭きするだけで臭いケアが可能です。
サイズもさまざまで、使用後はそのままトイレに流せるものも多いのでぜひ活用してみてください。
●正しい方法で膣内を洗浄する
デリケートゾーンの洗い方にもコツがあり、基本的には専用の石けんで優しく洗うのがポイントです。爪を立てたり、ゴシゴシ強く擦り洗いしたりは避けましょう。
そして膣内まで洗う必要はありません。
洗い過ぎると返って臭いや黒ずみの原因になるので、洗う場合は膣の入り口までで大丈夫です。
おりものの臭いが変化した時に考えられる病気
万が一いつものおりものと臭いが違うと感じた場合は、何かしらの病気の可能性が考えられます。
主な病気としては、以下が挙げられます。
・細菌性腟症
・膣カンジダ
・クラミジア感染症
・マイコプラズマ感染症(性病)
・淋病
・トリコモナス膣炎
必ずしも病気とは限りませんが、各病気の症状を自分の状態と照らし合わせて該当するようであれば病院に行って相談してみましょう。
●細菌性腟症
細菌性腟症(さいきんせいちつえん)とは、膣の自浄作用が低下した際に起こる感染症です。
・性感染症にかかっている
・不特定多数のセックスパートナーがいる
・リングなどの子宮内避妊器具を着用しているなど
上記の方が、主に細菌性腟症にかかりやすい方の代表例です。
細菌性腟症にかかると、おりものの色が灰色や白色っぽくなります。
臭いは生臭く、質感はとてもサラッとしているのが特徴です。
おりものの量もかなり多いです。
●膣カンジダ
膣カンジダとは、ストレスなどのせいで抵抗力が落ちた際に発症する病気です。
実は膣カンジダという病気は、健康な女性でも起こりやすい病気の1つとされています。
再発もしやすく、疲れて免疫力が落ちている時に膣カンジダになりやすい傾向にあります。
・膣周辺がかゆい
・おりものの粘り気が強い
・白っぽい
・カッテージチーズのようなポロポロとしたおりもの
・排尿時に痛みが伴う
・性交痛など
上記が典型的な症状です。
女性の20%が経験している症状なので、しっかりとデリケートゾーンをケアすることをおすすめします。
●クラミジア感染症
クラミジア感染症とは、自覚症状がほとんどない感染症です。
多くの場合は性交渉で感染することが多く、5〜10人に1人は感染しているといわれるほどの病気です。
特に10代後半〜20代にかけて感染者が多い傾向にあります。
自覚症状がないため、おりものの量が多くて病院に訪れたら発覚したというケースが多いです。
初期症状の時は自覚がありませんが、性行為から約2〜3週間後におりものの量と臭いの酷さで気付くという方もいます。
●マイコプラズマ感染症(性病)
マイコプラズマ感染症とは、感染すると肺炎や尿道炎、さらには子宮頚管炎などの炎症を起こす性病です。
性病ということで、主な感染経路は性行為をした時です。
感染力はそこまで高くありませんが、感染すれば尿道炎や膣炎といった痛みを伴います。
性行為以外では感染せず、およそ2〜3週間が潜伏期間だといわれているので、性行為に違和感が生じたら早めの受診をおすすめします。
おりものとの量の増加、外陰部のかゆみ、排尿時の痛みなどの症状がでることもありますが軽度であるため、ほとんど無症状で気付かないことが多いです。
●淋病
淋病は、粘膜に感染する性病の1つです。
淋病は女性だけでなく男性もかかる性病で、共通の症状としては「咽頭淋病」が挙げられます。
・男性:淋菌性尿道炎
・女性:淋菌性子宮頚管炎
尿道や子宮の炎症で、1回の性行為でおよそ30%の確率で感染します。
感染してから約2日〜7日間の潜伏期間を経て、乳白色の膿が出るなどの症状が徐々に現れます。
●トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎とは、原虫と呼ばれる寄生虫に感染して発症する感染症です。
原虫の大きさは約0.1mmで、感染すると膣や膀胱が炎症します。
おりものが悪臭を放ち、泡立った状態が特徴です。
他にも膣内が熱いと感じたり、かゆみによって外陰部が赤くただれてしまったりといった症状も出ます。
トリコモナス膣炎は性行為で感染するため、世代問わずかかる病気です。
おりものの臭い対策に関するよくある質問
最後におりものの臭い対策に関するよくある質問を紹介していきます。
ここで紹介するよくある質問は、以下の3つです。
・おりものがズボンまで染みる場合はどうすればいい?
・おりものを減らす食べ物はある?
・おりものシートはやめた方がいい?
それぞれチェックしていきましょう。
●おりものがズボンまで染みる場合はどうすればいい?
おりものの量が多いということは、エストロゲンの分泌量が多いということです。
人によってはズボンまでおりものが染みてくるという方もいます。
おりものの量が多い方は、一時的におりものシートを使用しましょう。
酷いようであればエストロゲンの分泌量に問題があるため、婦人科を受診するのもおすすめします。
●おりものを減らす食べ物はある?
女性ホルモンを正常に分泌させるには、規則正しい食生活が必要不可欠です。
おりものの量や臭いを減らすには、高カロリーの物は控えるようにしましょう。
例としては、以下の物がおすすめです。
・大豆製品
・乳製品
・小魚
・食物繊維など
野菜なども取り入れてバランスよく摂取することで、おりものを減らすことが可能です。
●おりものシートはやめた方がいい?
一時的におりものシートを使用するのは構いませんが、長時間の使用はあまりおすすめできません。
生理前でおりものの量が多いけれど、外出はしなければならないという時に使用するのがおすすめです。
長時間使用すると、デリケートゾーンがムレて雑菌が繁殖しやすくなります。
臭いなどのトラブルも起こりやすくなるので、注意が必要です。
まとめ:おりものの臭いは1人で悩まず医師に相談しよう
おりものの臭いや考えられる病気や、対策などを紹介してきました。
おりものは女性の身体を守るために必要な分泌液です。
おりものが出ることに対して負のイメージを持つ方が非常多い傾向にありますが、悪いことばかりではありません。
身体の不調を知らせてくれる役割も持っているので、万が一おりものの臭いが気になるようであれば1人で悩まず医師に相談することをおすすめします。
おりものとの向き合いかたもしっかりと教えてくれるので、1人で悩まず相談した方がストレスを軽減できます。
たかがおりものと思っていても、調べてみたら重大な病気にかかっていたということもありえます。
自分の身体のことですから、疎かにせず自分自身と向き合って大切にしましょう。