Bi'laxsコラム
妊活のためにできることは?年齢ごとの妊活の違いもわかりやすく解説
「そろそろ妊活を始めたいけれど、どんなことをすればいいの?」
上記のようなお悩みを抱えている女性は多いと思われます。
ここでは、妊活のためにできることの中から、日常生活の改善ポイントや医療機関の受診などに焦点を当てて詳しく解説していきます。 本記事を最後まで読み終えていただければ、妊活のためにできることを今日から早速実践できます。妊活の始め方にお悩みの方は参考にしてください。
【この記事でわかること】
・妊活とは
・妊活のためにできること
・妊活のために医療機関や婦人科検診でできること
・妊活に関するよくある質問
そもそも妊活とは
妊活とは、「妊娠するための活動」のことです。妊娠するために、自分の体や健康の状態について把握し、妊娠しやすい体や生活環境を整えていくことを妊活といいます。
妊活する際に大切な基本は次の2つです。
・自然妊娠するために排卵日を予測する
・性交渉の回数に応じて妊娠率は高くなる
ここでは、上記2つについて詳しく説明していきます。
●自然妊娠するために排卵日を予測する
自然妊娠をするために欠かせないのが、自分の排卵日の予測です。
妊娠しやすいタイミングは、排卵日3日前から翌日までとされています。特に妊娠しやすいのは、排卵日前日と当日の2日です。
卵子の寿命は1日程度で、精子の寿命は平均3日程度なので、妊娠しやすい5日の間に性交渉を持つことで妊娠確率が上がります。
自然妊娠を希望している方は、排卵周期を把握して、妊娠しやすいタイミングでの性交渉を試してみましょう。
●性交渉の回数に応じて妊娠率は高くなる
性交渉の回数が多いほど、膣内に射精される精子の量も多くなります。膣内に精子が残っているタイミングで、排卵日を迎えれば妊娠に至ります。
また、定期的に射精されることで、活動性の高い精子が作られて妊娠確率が上がります。
したがって、排卵日付近のみ性交渉を持つのではなく、日常的に性交渉を持ちましょう。
性交渉は「妊活のために必要なこと」と割り切って考えるのではなく、パートナーとのスキンシップを楽しむ心の余裕も大切です。
妊活のためにできること
妊活のためにできることは、主に次の7つです。
・しっかり睡眠時間を取る
・健康的な食生活を心がける
・適正体重に近い状態を保つ
・ストレスを溜め込まない
・体の血流を良くする
・お酒やタバコ・カフェインなどの嗜好品を控える
・適度な運動を行う
積極的に妊活に取り組むうえで大切なのは、女性の心身の健康ですので、しっかりと押さえておきましょう。
●しっかり睡眠時間を取る
良質な睡眠をとることによって、女性ホルモンの分泌が安定するので、妊活には効果的です。
疲労は女性ホルモンのバランスが乱れたり、正常に排卵されなかったりなどの原因になります。できるだけ夜は早い時間帯にベッドに入り、朝は毎日同じ時間に起きるようにしましょう。
また、朝起きたタイミングで、寝室のカーテンを開けて日光を浴びるのもおすすめです。日光によって体内時計がリセットされるので、およそ14時間後に眠気を促すメラトニンが分泌されます。
起床から14時間で、自然に眠気が訪れるようになり、生活バランスを整えることができます。
●健康的な食生活を心がける
妊活中は、1日3食、バランスの良い食生活を意識しましょう。
栄養が不足していると、脳の視床下部からのホルモン分泌が阻害されて、正常に排卵されにくくなります。
健康な食生活は妊活に役立つだけでなく、妊娠後の赤ちゃんの健康のためにも大切なものです。
特に、赤ちゃんの成長を促す「葉酸」、女性ホルモンの分泌や血行に影響する「鉄分」は、妊娠を希望した時点で積極的に摂りたい栄養素といえます。
自炊が苦手な方は、外食した際に「一汁三菜(ごはん、味噌汁、主菜、副菜2品)」の和食を選ぶことから始めてみましょう。
●適正体重に近い状態を保つ
過度な痩せすぎや肥満は、妊娠に関係するホルモンの分泌やバランスに影響を与えます。そのため、不妊の原因になったり、母体や赤ちゃんの健康を損なったりする恐れがあります。
健康な妊娠・出産のためには、妊活をしている時点で、適性体重に近い状態を意識してください。適性体重の把握におすすめなのが、BMIによるものです。
BMIの計算方法にあてはめて、自分のBMIの値を把握しておきましょう。
・BMI=体重kg/(身長m)² |
BMI18.5〜25未満が「ふつう」とされていますが、妊娠中はつわりや運動不足などで体重が増減しがちです。BMI20〜22を目指すと標準体型を維持しやすくなります。
※参考:妊産婦のための食生活指針 |
●ストレスを溜め込まない
女性ホルモンの分泌を司る脳の視床下部や下垂体という部分は、ストレスに弱いと言われています。
女性の身体はとてもデリケートなので、些細なストレスによって、排卵周期が乱れたり、正常に排卵されなくなったりといったトラブルが起こりやすくなります。
また、妊活自体のプレッシャーや、思った通りの結果につながらないことで、妊活中はストレスをため込みがちです。
そのため、なるべくストレスをため込まないように、ゆったりとした気持ちで過ごしてください。
気分転換に趣味を楽しんだり、アロマを嗅いだりと、自分なりにリラックスできるストレス解消法を見つけましょう。
●体の血流を良くする
体が冷えると血流が悪くなり、子宮や卵巣に充分な栄養が行き届きませんその結果、卵巣の機能が低下してしまい、不妊の原因につながります。
冷え性の症状がある方や、冷え性になりやすい生活習慣の方は特に注意が必要です。
・平熱が36度以下 ・むくみや便秘がある ・肩こり、腰痛、頭痛、生理痛がひどい ・冷たい飲み物や食べ物を好んで食べる ・湯船に浸からず、シャワーで済ませてしまうことが多い |
体の血流を良くするためには、次の方法を取り入れるのがおすすめです。
・お風呂はぬるめのお湯で、30分以上ゆっくり浸かる ・生野菜よりも温野菜を摂る ・ごぼうや黒ゴマ、山芋、しょうがなど体を温める食材を摂る ・冷たい飲み物は控えて、温かい飲み物に変えて、水分を摂りすぎない |
積極的に実行することで体の血行を促し、妊娠しやすい体作りを目指しましょう。
●お酒やタバコ・カフェインなどの嗜好品を控える
煙草に含まれているニコチンや一酸化窒素といった有毒物質は、血流を悪くしたり、精子・卵子の質を低下させたりします。
そのため、喫煙している夫婦では、不妊が多いと指摘されています。
妊娠後も流産や赤ちゃんの病気など、さまざまなトラブルを引き起こすリスクがあるので注意が必要です。煙草は受動喫煙による健康被害があるので、自分だけでなく、パートナーや家族も禁煙しましょう。
また、多量の飲酒は生理不順や排卵障害を引き起こすリスクが指摘されています。
赤ちゃんを迎える体の準備として、女性の飲酒は週に1〜2回程度に抑えましょう。飲酒量は、缶酎ハイ1〜2本程度や、グラスワイン1〜2杯程度など、多量の飲酒は控えてください。
さらに、カフェインの過剰な摂取(コーヒー5杯/日)は、妊娠する力を低下させ、流産しやすくなります。
コーヒーの摂取は1日2杯までに控え、ハーブティーなどのノンカフェイン飲料に切り替えるのがおすすめです。
コーヒーや紅茶を好む方は多いですが、飲みすぎないように注意しましょう。
●適度な運動を行う
妊娠するための健康な体作りに、運動は最適です。
適度な運動は骨盤周りの血行を促し、子宮や卵巣のはたらきが良くなります。また、体を動かすことによって、ストレス解消にも役立ちます。
ただし、過度な運動は疲労の原因となってしまうので、自分の体力に合わせて運動の内容を選びましょう。
特に、ウォーキングやヨガなどは、日常生活の中に取り入れやすく、妊娠後も継続しやすいのでおすすめです。
妊活のために医療機関や婦人科検診でできること
妊活のために医療機関や婦人科検診でできることは、次の4つです。
・基本検査
・タイミング法のための検査
・必要に応じて治療を行う
・人工授精・体外受精
妊活は、妊娠しやすい体や環境づくりのために、生活習慣を切り換えていく必要があります。
しかし、自宅で取り入れるものだけでなく、医療機関の受診が必要な場面があることも知っておきましょう。 今後、医療機関の受診を検討している方は参考にしてください。
●基本検査
妊活を行うにあたって、医療機関を受診した際はまず基本検査を行います。
基本検査の主な内容は次の通りです。
・問診:生理の状態、妊娠・出産・流産の有無、妊活を始めてからの時期など答える ・内診:子宮や卵巣に異常がないかを調べる ・超音波検査:子宮や卵巣の状態を確認する ・血液検査:感染症の有無や妊娠に必要なホルモンの状態について調べる |
基本検査によって、体の状態を把握し、異常の有無を調べます。問題がなければ、妊活についてのアドバイスをもらえます。
もしも異常が見つかった場合、医師の指導の下で治療を始めましょう。
※参考:中央クリニック |
●タイミング法のための検査
「検査では特に異常がなかったけれど、できるだけ早く妊娠したい」という方や、高齢の場合、タイミング法から始めます。
タイミング法と自然妊娠の違いは、次の通りです。
【自然妊娠】 夫婦が避妊せずに性交渉を行い、妊娠に至ります。 【タイミング法】 医療機関で卵胞の大きさや子宮内膜の厚さなどを検査し、医師が予測した排卵日付近で性交渉をもちます。基礎体温や排卵日予測検査薬を用いても排卵日は体調などの影響を受けて、ずれてしまう場合があります。 一方、医師の予測した排卵日の方がより正確に近いため、精度が高く、妊娠しやすいといえます。 |
「検査に異常はないのになかなか自然妊娠しない」という方は、タイミング法から始めてみましょう。
●必要に応じて治療を行う
加齢やストレス、ダイエットなどによって、卵胞の発育が悪かったり、無排卵だったりする場合、排卵誘発剤を使用します。排卵誘発剤によって、卵子を発育させ、排卵を促す効果が期待できます。
また、「黄体機能不全」という状態の方も治療が必要です。通常、排卵後は妊娠しやすくするために、子宮内膜を厚く維持する黄体ホルモンが分泌されます。
しかし、黄体機能不全では排卵自体は問題ないのに、黄体ホルモンが不足してしまうため、着床や妊娠の維持が難しくなってしまいます。
注射や飲み薬によって黄体ホルモンを補うことで、不妊の原因を解消できます。
●人工授精・体外受精
タイミング法で妊娠しない場合、人工授精から体外受精の順にステップアップしていきます。
まず、人工授精とは採取した精子を医療機関で処理した後、排卵日ごろに女性の子宮に注入する方法です。
人工授精が行われるのは次のような場合です。
・女性の頸管粘液の量が少ない
・精子の数が少ない
・精子の活動性が低く、卵子まで到達できない
・膣内射精に至らない
医療技術を必要とする不妊治療の一つですが、自然妊娠に近いため、女性の身体への負担が少ないとされています。
一方、人工授精でも妊娠に至らない場合、体外受精に踏み切ります。採取した卵子と精子を培養液の中で合わせて、受精卵を女性の子宮に戻す方法です。
人工授精では、卵子の採取やホルモン剤の投与、受精卵の子宮への移植など、女性の体への負担が大きくなります。
また、通院回数が増えるため、仕事やプライベートに支障をきたすことがあります。
経済的負担も大きいので、不妊治療の最終的なステップとして考えましょう。
妊活に関するよくある質問
妊活はデリケートな話題なので、疑問やお悩みがあっても周囲に気軽に相談できないという方は多いです。
妊活に関するよくある質問は次の3つです。
・年齢ごとに行う妊活にはどのような違いがある?
・妊活のために男性ができることはある?
・妊娠率を上げる食べ物はある?
上記3つの質問について、詳しくお答えしていきます。
●年齢ごとに行う妊活にはどのような違いがある?
年齢によって、自然妊娠の可能性、医療機関を受診するタイミング、人工授精・体外受精に至るまでの期間が異なります。
そこで、年代ごとにおすすめの妊活方法は次の通りです。
自分の年代に合わせたステップを踏むことも大切ですが、不安なことや心配事がある場合、できるだけ早く医療機関を受診して相談しましょう。
●妊活のために男性ができることはある?
妊活中、パートナーの男性も女性同様、妊活のために体のコンディションを整えることが大切です。禁煙や食生活など、生活習慣改善について日頃から話し合い、行動できる雰囲気作りを心掛けましょう。
また、妊活は女性主導で行うというイメージがあるかもしれませんが、実際はパートナーと2人で取組む必要があります。
妊活中の女性は妊娠に至らないストレスや、誰にも相談できない孤独感から、1人で悩みを抱えがちです。
パートナーの男性は、妊活中の女性の気持ちに寄り添う姿勢が重要です。
●妊娠率を上げる食べ物はある?
妊娠しやすい体作りをするためには、栄養をたっぷり摂る必要があります。妊娠と関わりの深い子宮や卵巣、卵子、女性ホルモンなどは、体の栄養から作られています。
体の栄養を補うには、食べ物を大量に摂るのではなく、栄養バランスに気を配りましょう。
また、妊活に向いている栄養素をたっぷりと含んでいる食べ物は、次の通りです。
分類 | 品目 |
---|---|
キノコ・野菜類 | 枝豆、しめじ、にんじん、ほうれん草、よもぎ、黒胡麻、きくらげ |
くだもの類 | 桃、プルーン |
肉類 | 牛肉、鴨肉、豚肉、鶏卵 |
海藻類 | ひじき |
貝類 | 赤貝、あさり、しじみ、牡蠣、あわび |
魚介類 | あなご、あんこう、イカ、うなぎ、かつお、さけ、さば、すずき、たこ、たら、なまこ、にしん、ぶり、まぐろ |
※参考:『クラシエ』
妊娠を希望した時点で、栄養バランスの整った食事を意識し、妊娠しやすい体作りをしていきましょう。
妊活のためにできることをパートナーと一緒に考えよう
妊活は、女性もしくは男性一人で取り組めるものではありません。赤ちゃんを迎え入れる準備の一環として、パートナーと一緒に妊娠しやすい体や環境を整える必要があります。
また、自分たちだけで悩みや不安を抱え込んでしまうのではなく、医療機関を受診して、専門家である産婦人科医に相談するのがおすすめです。
生活習慣の改善はすぐにでも取り入れられる方法なので、積極的に行っていきましょう。