Bi'laxsコラム

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出産後に体重が減らない原因は?対処法やダイエット時の注意点も解説

本記事では、出産後に体重が減らない原因を解説し、それぞれの原因に対する対処法、ダイエット時の注意点について詳しく解説します。

無事出産を終えた直後は、新生活に慣れるので精一杯で、体重を気にしていられない女性も多いでしょう。なかには、出産後に体重や体型が戻らないと悩んでいる人は少なくありません。

出産後に体重が減らないのには、ホルモンバランスの変化や生活習慣の変化、代謝の減少などが関与しています。また、ダイエットを急いでしまうと体調を崩すおそれもあるため、注意が必要です。

この記事を最後まで読むと、しつこい産後太りを解消するヒントが見つけられるでしょう。

【この記事でわかること】

● 出産後に体重が減らない原因

● 妊娠から出産後までに起こる体重の変化

● 出産後に体重が減らないときの対処法

● 出産後に体重を減らすためにおすすめの食べ物

● 出産後に体重を減らす際の注意点

出産後に体重が減らない原因

出産後の体重増加や体型の崩れに悩んでいる女性は少なくありません。出産後に体重が減らない原因は以下の通りです。

  • 脂肪や水分を溜め込んでいる
  • 生活習慣や体質が以前とは変化した
  • 筋肉量・基礎代謝が低下した
  • 骨盤に歪みがある

上記4つの原因について詳しく解説していきます。

脂肪や水分を溜め込んでいる

出産後の体重が減らない原因の1つは、妊娠中に増えた脂肪や水分がまだ排出されていないことです。妊娠中は妊娠前よりも体重が増加する人がほとんどです。

妊娠によって約7〜12kg体重が増えるのに対し、出産では約5kgしか体重が落ちません。残りの3〜8kgは、妊娠中に増えた脂肪や血液などです。

妊娠前の約1.5倍に増えた循環血液量は、尿として排出されていくため、徐々に減少します。ただし、出産後に水分を溜め込むのは、出産後にホルモンバランスが急激に変化する上、出産時に体外に出た羊水や血液などの水分を取り戻そうとするからです。身体がむくみやすくなるため、「思ったよりも体重が減らない」と感じるでしょう。

また、妊娠中に時間をかけて蓄えた脂肪は、出産したからといってすぐ落とせるわけではありません。出産後の体力回復のために徐々に消費されていくので、妊娠前の体重に戻るまで時間がかかるでしょう。

生活習慣や体質が以前とは変化した

出産後は乳児の世話を中心とした生活となるため、自身の食事時間は不規則になりがちです。

また、母乳育児や忙しさによるストレスから、空腹を感じやすくなります。そのため、適切な食事量をコントロールできず、つい食べすぎてしまう女性は少なくありません。

筋肉量・基礎代謝が低下した

妊娠中から出産後にかけて、活動量・運動量は妊娠前よりも低下します。なかには、切迫流産や切迫早産、妊娠高血圧症候群などによって安静に過ごすことを余儀なくされる女性も少なくありません。

長期間運動不足が生じた結果、出産後の女性は筋肉量が低下しやすくなります。筋肉量の低下に伴い、基礎代謝量も低下するため、出産後はなかなか体重が減りにくくなるでしょう。

骨盤に歪みがある

出産を機に骨盤に開きや歪みが生じたために体重が減りにくくなることもあります。

妊娠に伴い、胎児の重みを支えるために母体の骨盤は広がります。経膣分娩の場合、胎児が産道を通って生まれてくるため、さらに骨盤が開いて歪みが生じます。

骨盤が開いていると体重が減らない・痩せにくいと感じる原因は以下の通りです。

  • 血行が悪くなって新陳代謝が下がる
  • 内臓の位置が下がって下腹部がポッコリしやすい

出産後に下腹部のポッコリが気になる人は、骨盤の開きが原因の1つでしょう。

妊娠から出産後までに起こる体重の変化

ここでは、妊娠から出産後までに起こる体重の変化について解説します。

妊娠初期は体重の変化を感じにくく、つわりによって体重が減少してしまう人もいます。つわりを始めとした体調が落ち着くと次第に体重が増え始め、出産直前にはピークに達するでしょう。

妊娠から出産までに起こる体重の変化は、以下の通りです。

  • 妊娠から出産までは増加する
  • 出産後は自然と4〜5kg減少する

上記2つの体重の変化を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

妊娠から出産までは増加する

妊娠すると、胎児や羊水以外にさまざまな要因によって体重が増加します。ここでは、妊娠によって増える体重の内訳を表でチェックしてみましょう。

内訳 体重の増加量
胎児と付属物(胎盤や臍帯など) 約4kg
母体の身体に蓄えられた脂肪 約3.5kg
血液や組織液 約3.5kg
子宮・乳房の増大分 約1kg

妊娠期間を通じて7〜12kg増えるため、胎児や羊水以外に増えた分は全て脂肪だと不安に感じる人もいるでしょう。

しかし、妊娠中に増えるのは脂肪だけではなく、水分や子宮・乳房など、出産後に自然と減っていくものも含まれていることを把握しましょう。

出産後は自然と4〜5kg減少する

出産に伴って胎児と一緒に体外へ排出されるのは、付属物や羊水、血液など約5kgです。

妊娠中に増えた血液や体内の水分、発達した乳腺や脂肪は、時間をかけて元に戻ります。体重の減り方には個人差があるものの、出産後2〜4ヶ月でさらに約4kg減る人がほとんどです。

皮下脂肪などの蓄積によって、妊娠前よりも2〜3kg増えた状態で体重が落ち着く人も少なくありません。出産後は、すぐに妊娠前と同じ体重には戻れないことを覚えておきましょう。

出産後に体重が減らないときの対処法

出産後は乳児のお世話中心の生活となってしまい、自分自身のことは後回しになってしまいがちです。

育児しながら手軽に始めやすい方法は、忙しくてもダイエットに取り組みやすいでしょう。

出産後に、体重が減らないときの対処法は以下の通りです。

  • 栄養バランスのとれた食事を摂る
  • 母乳で育児を行う
  • 適度に運動・ストレッチする
  • 骨盤の歪みをなくす

上記4つの対処法について解説していくので、日常生活の中に取り入れてみましょう。

栄養バランスのとれた食事を摂る

栄養バランスの整った食事を、適量摂取するように意識しましょう。

妊娠中期から後期にかけて、大きくなったお腹の圧迫感で思った通りに食べられない女性は少なくありません。出産後はお腹の圧迫感が解消されるため、食欲が増してしまいがちです。

脂っぽい食べ物は母乳の質を低下させるだけでなく、乳腺炎を起こすリスクが上がります。乳児が飲む母乳は母体が摂取した栄養から作られていることも考えると、和食中心のヘルシーな食事がおすすめです。

母乳で育児を行う

授乳はエネルギーを消費するため、出産後のダイエットに効果が期待できるでしょう。

授乳によるエネルギー消費量は、約517キロカロリーとされています。乳児が1日に飲む母乳の量は成長によって変化していくものですが、1日あたり780mLの母乳をあげる場合、妊娠前に加えて約350キロカロリーの摂取が必要です。

そのため、母乳育児しながら妊娠前と同様の食事量を続ければ、自然と体重が減っていくでしょう。

しかし、カロリーを消費している分空腹を感じやすい上、育児のストレスからつい甘いものに手が伸びてしまう人は少なくありません。母乳育児しているからといって、食べる量が増えすぎないように注意してください。

また、卒乳後も授乳中と同様に付加エネルギーのある食事を続けると太りやすくなるため、授乳量が減ってきたら食事量を調整することも大切です。

適度に運動・ストレッチする

出産後に体重が減らないときは、適度に運動やストレッチを実施するとよいでしょう。

出産後は体調が万全ではなく、乳児のお世話のために睡眠不足や疲労を感じている時期であるため、出産後に運動する場合は簡単で身体への負担が少ないものから始めましょう。

出産後すぐに行える運動として推奨されているのは、産褥体操(さんじょくたいそう)です。産褥体操には、以下のようなさまざまな効果が期待できます。

  • 心身の疲労回復
  • 肥満予防
  • 尿漏れや腰痛、肩凝りの軽減

特に、骨盤周りの関節や筋肉をほぐす動きが含まれているため、骨盤の回復をサポートします。体調がよいタイミングで、無理のない範囲で取り組んでください。

骨盤の歪みをなくす

骨盤の開きや歪みを解消することで、体重が減りやすくなるでしょう。

出産後の女性の骨盤は開いているため、血流が滞ってお腹や腰回りに余分な脂肪がつきやすくなります。また、骨盤の歪みは出産後に腰痛を感じる原因の1つです。

骨盤を元の位置に戻すことで腰回りの血流が促され、お腹や腰がスッキリする効果が期待できます。

出産後の骨盤の開きや歪みを解消するには、骨盤が緩んでいる出産後6ヶ月頃までに適切なケアを取り入れることがポイントです。

産褥体操を取り入れると共に、骨盤ベルトで骨盤を正しい位置に導きましょう。

出産後に体重を減らすためにおすすめの食べ物

出産後のダイエットでは、妊娠前よりも健康面に配慮する必要があります。出産後に体重を減らすためにおすすめの食べ物は、主に以下の通りです。

  • 高タンパク低脂質の食べ物
  • ビタミンを多く含んだ食べ物
  • 鉄分を多く含んだ食べ物
  • 緑黄色野菜

上記4つの食べ物について解説していくので、食事作りで取り入れてみましょう。

高タンパク低脂質の食べ物

出産後は、高タンパク低脂質の食べ物を取り入れましょう。

タンパク質は皮膚や血液、筋肉など身体を作り出す元となる栄養素です。筋肉量が増えることで、代謝を上げる効果が期待できます。出産後の女性は活動量の低下に伴って筋肉量も低下するので、積極的にたんぱく質を摂取しましょう。

ただし、バラ肉のような脂身の多い肉類はカロリーが高いため要注意です。赤身の肉や魚、卵、大豆製品、乳製品などの高タンパク質・低脂質な食べ物は出産後のダイエットに適しています。

ビタミンを多く含んだ食べ物

出産後は、ビタミンを多く含んだ食べ物も積極的に摂取しましょう。

ビタミン類は出産後の身体をケアする効果が期待できます。なかでも、ビタミンCは疲労やストレスの回復、体の免疫機能向上をサポートする栄養素です。身体をしっかり回復させることで、ダイエットに取り組みやすい身体作りに役立ちます。

ビタミンCが豊富に含まれている食べ物は、フルーツ類やじゃがいも、ブロッコリーです。フルーツ類は調理せずに食べられるため、忙しい育児中でも気軽に取り入れやすいでしょう。

鉄分を多く含んだ食べ物

出産後は、鉄分を多く含んだ食べ物を取り入れることも重要です。

鉄分は、血液を作るのに必要不可欠な栄養素です。出産によって失われた出血を補ったり、母乳を作り出したりするために、出産後の女性は貧血に陥りやすくなります。

鉄分を摂取することで、質のよい母乳を作り出し、ダイエットをサポートできるでしょう。ひじきや納豆、卵、レバーといった食品の積極的な摂取がおすすめです。

緑黄色野菜

出産後は、緑黄色野菜も積極的に摂取しましょう。

モロヘイヤやブロッコリーといった緑黄色野菜には、葉酸が豊富に含まれています。葉酸は鉄分と同様に血液を作り出す作用が期待できる栄養素です。

また緑黄色野菜には、ビタミンCや食物繊維など、ダイエットに効果的な栄養素も豊富に含まれています。

出産後に体重を減らす際の注意点

出産後の女性は、出産によるダメージから身体を回復させるために、休息しながら育児をこなさなければなりません。そのため、健康面に配慮しながらのダイエットが必要となります。

出産後に体重を減らす際の注意点は、主に以下の通りです。

  • つい食べすぎてしまわない
  • 食事制限は無理にしない
  • 出産後すぐにはダイエットを始めない
  • ダイエットは体調を崩さない程度にとどめる

上記4つの注意点について解説していくので、出産後のダイエットに取り組みたい人はチェックしてみましょう。

つい食べすぎてしまわない

出産後に、つい食べすぎないように注意しましょう。

母乳育児中はお腹が空きやすく、つい食べすぎてしまう女性は少なくありません。特に、妊娠中の食事制限やお腹の圧迫感によって思った通りに食べられなかった女性は、開放的な気持ちから好きなものばかり食べてしまいがちです。

出産後は食べすぎても母乳でカロリーを消費するため、体重が増えにくく、食事量の多い生活にも慣れてしまいます。

しかし、乳児が飲む母乳の量が減少し、離乳食が始まった途端に体重が増えるおそれがあることに注意しましょう。

妊娠前の食事量を思い出して、出産後は食べすぎてしまわないように注意してください。

食事制限は無理にしない

出産後に、無理な食事制限は避けたほうがよいでしょう。

ダイエットのためには、摂取カロリーよりも消費カロリーが上回ることが大切です。しかし、出産後は母乳を作るため、妊娠前よりも350キロカロリー多く摂取する必要があります。

無理な食事制限による栄養不足は、栄養豊富な母乳を届けられなくなってしまう原因です。また、出産後の身体の回復のために、栄養バランスの整った食事は欠かせません。

無理な食事制限は行わず、ほかの工夫によって体重を減らしましょう。

出産後すぐにはダイエットを始めない

ダイエットを始めたい場合、出産後6〜8週頃までは疲労回復を優先しましょう。少なくとも悪露が落ち着き、1ヶ月健診で医師の許可が降りるまでは控えたほうがよいでしょう。

出産後すぐに体重を落としたい人は、産褥体操から始めてみるのがおすすめです。

ダイエットは体調を崩さない程度にとどめる

出産後にダイエットに取り組む際は、体調を優先した生活を心がけましょう。

出産後は妊娠前の状態に戻ろうとして、さまざまな変化が生じます。育児による疲労やストレスも重なるため、無理な食事制限や激しい運動を行うと体調を崩してしまうおそれがあります。

出産後の体重増加や体型の崩れは気になるところですが、体調を崩してしまうと育児にも影響が出てしまうでしょう。ダイエットに取り組む際は、体調を優先しましょう。

出産後の体重に関するよくある質問

最後に、出産後の体重に関するよくある質問に回答していきます。

  • 2人目の出産後に体重が減らないのはなぜ?
  • ウエストは出産後にいつ戻る?
  • 体重が戻ったのに体型が戻らないのはなぜ?

上記3つの質問に回答していきます。

2人目の出産後に体重が減らないのはなぜ?

2人目の出産後、摂取カロリーや食事量をあまり気にしないでいるために、体重が減っていない可能性があるでしょう。

妊娠中から出産後にかけて低下した筋力や蓄えられた脂肪は、時間をかけて妊娠前の状態に戻ります。しかし、妊娠前の状態に身体が戻りきる前に2人目を妊娠してしまうと、出産後も体重が減りにくくなります。

また、2人目は、1人目に比べて育児に余裕が出るので、つい間食してしまう人は少なくありません。「母乳育児しているから痩せるはず」という思い込みから、摂取カロリーや食事量をあまり気にしないでいたところ、なかなか痩せられないケースもあります。

ウエストは出産後にいつ戻る?

妊娠によって大きくなった子宮はおよそ6週間かけて元の大きさに戻るので、出産後すぐにスッキリするわけではありません。

また、妊娠中はお腹に負担をかけないように注意して生活しているため、お腹周りの筋肉量が低下しています。

出産後のポッコリお腹対策は、産褥体操から始めて6〜8週間ほど経ってから少しずつストレッチや運動を取り入れましょう。

また、骨盤ベルトを使用して、骨盤や内臓の位置を元に戻すこともおすすめです。

体重が戻ったのに体型が戻らないのはなぜ?

出産後に体型が崩れる原因には、体重の増加や姿勢の変化、脂肪の蓄積などがあります。

妊娠中は大きくなった子宮を支えるために、反り腰や猫背をとりがちです。また、出産後は骨盤底筋や会陰へのダメージ、授乳や長時間の抱っこなどが原因で姿勢が悪くなります。

姿勢が悪いと血流が滞り、適切な姿勢をとるための筋力が低下するため、余分な脂肪がついて体型が崩れてしまうでしょう。

授乳や抱っこはクッションや椅子の肘置きなどを活用して、正しい姿勢を心掛けましょう。育児の合間にストレッチを取り入れて身体をほぐすと、ボディラインを整えるのに役立ちます。

出産後体重が減らないときは生活習慣に気をつけよう

出産後はなかなか体重が減らず、焦ってしまう女性は少なくありません。しかし、出産後は思っている以上に身体がダメージを受けている状態であり、母乳育児では余分にカロリーを摂取する必要があります。

無理な食事制限や出産後すぐの激しい運動は身体に負担がかかってしまうので、バランスのよい食事や適度な運動がおすすめです。

出産後の女性は生活習慣に注意しながら、出産後の体重を妊娠前に近づけましょう。