Bi'laxsコラム
生理前の食欲が止まらないのはなぜ?対処法やおすすめの食べ物も解説
本記事では、生理前に食欲が止まらない原因や対処法、おすすめの食べ物について詳しく解説します。
「生理前の食欲が止まらないのはどうしてなの?」と疑問に感じている人は少なくないでしょう。
この記事を最後まで読むと、自分に合った方法で生理前の食欲をコントロールし、快適に過ごすのに役立てられます。生理前の食欲増進でお悩みの人は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
● 生理前に食欲が止まらない原因
● 生理前に食欲が止まらない事象はいつまで続く?
● 生理前に食欲が止まらないときの対処法
● 生理前で食欲が止まらないときにおすすめの食べ物
生理前に食欲が止まらない原因
生理前になると、自分でもコントロールが難しいほどの食欲増進に悩まされている女性は少なくありません。生理前に食欲が止まらない原因は、主に以下の3つです。
- プロゲステロンの増加
- エストロゲンの減少
- セロトニンの減少
上記3つの原因について詳しく解説するので、確認してみましょう。
プロゲステロンの増加
排卵後から生理前にかけて分泌が増加するのは、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンです。
プロゲステロンは妊娠を維持するはたらきがあり、妊娠に備えて脂肪や糖分、水分といった栄養素を蓄えようとします。
生理前に身体がむくんだりイライラしやすくなったりする、PMS(月経前症候群)を引き起こす原因です。
ストレス解消のために、甘いものや油っぽいものが食べたくなり、ドカ食いにつながりやすくなります。
エストロゲンの減少
エストロゲンは、生理中から分泌量が増え始め排卵前に多く分泌される女性ホルモンです。
エストロゲンは食欲中枢に作用し、過剰な食欲を抑えるのに役立ちます。
排卵後、プロゲステロンの分泌量が増えるのに対して、エストロゲンの分泌量は低下します。
食欲のコントロールが難しくなり、「お腹が空いているわけではないけれど何か口にしたい」という状態になってしまう人も少なくありません。
セロトニンの減少
セロトニンは、神経細胞と神経細胞のつなぎ目に分泌される神経伝達物質です。
セロトニンの主な効果の1つは、気持ちを落ち着け安らぎを感じられるというものです。
エストロゲンの分泌によってセロトニン神経が刺激され、生理後から排卵日にかけてセロトニンの分泌量が増えます。
しかし、排卵後はエストロゲンの分泌量低下に伴い、セロトニンの分泌量も低下します。
生理前になると、ささいなできごとにイライラしたり、感情がこみ上げて泣き出したりする原因の1つです。
甘いものを摂ると一時的にセロトニンが増えるので、気持ちが落ち着きやすくなります。安心感を得るために、繰り返し甘いものを摂る人が多いです。
生理前に食欲が止まらない事象はいつまで続く?
生理前の食欲増進は、PMSの症状の1つです。生理が始まると食欲やイライラといった、さまざまな不調が落ち着くケースがほとんどでしょう。
しかし、生理が始まっても食欲増進が収まらない場合、原因は生理とは別である可能性も考えられます。食欲とPMSの関連を知るためには、基礎体温の計測・記録がおすすめです。
毎日、起床時の基礎体温を計測・記録すれば、排卵のタイミングや生理予定日などの自分の生理周期を把握できます。
もしも排卵後の高温期(生理前)に食欲が増えるようであれば、PMSが原因である可能性が高いといえるでしょう。
生理前に食欲が止まらないときの対処法
生理前に食欲が止まらない場合、適切な対処法を取り入れることによってコントロールできることがあります。生理前に食欲が止まらない時の対処法は以下の通りです。
- 細かく分けて食事を摂る
- 趣味の時間を増やしてリラックスする
- 適度な運動やストレッチを心がける
- 栄養の多い間食をする
- チートデイを設ける
- 食欲を抑えるツボを押す
上記6つの対処法について解説します。ぜひ、普段の生活の中に取り入れてみましょう。
細かく分けて食事を摂る
食欲が止まらない生理前には、1回の食事量を減らし1日に必要な食事量を小分けに摂ることがおすすめです。
こまめに食べると血糖値が安定し、ドカ食いを防ぐのに役立ちます。10時や15時など、食事と食事の間に捕食を摂ると、昼食や夕食の食べ過ぎを防ぎやすくなります。
また、血糖値の激しい変動は空腹を感じ、ドカ食いを起こしやすくなる原因です。血糖値の変動と食欲の関係について、以下の2点をチェックしましょう。
- 空腹時間が長ければ血糖値が低下するので、身体は糖分を補給しようとする
- 一気に食事を摂ると血糖値が急上昇した後、急激に低下しやすくなる
ドカ食いはただでさえ摂取カロリーが多くなりがちです。そのうえ、血糖値の激しい変動は身体が栄養を蓄えようとはたらくため、体重増加に注意してください。
趣味の時間を増やしてリラックスする
「実際にお腹が空いている訳ではないのに、口寂しさで何か食べたくなってしまう」という場合、趣味の時間を増やして、食事のことばかり考えないようにするのも有効です。
音楽を聴いたり、映画を観たりすることで自然と食欲から目を背けられます。趣味の時間を楽しみリラックスして過ごせば、生理前のイライラや情緒不安定の解消にも役立ちます。
ただし、リラックスして過ごしているうちに、「ついスナック菓子やチョコレートに手が伸びてしまう」という場合がないように注意が必要です。
適度な運動やストレッチを心がける
食欲の増加には、内臓のはたらきや体温といった機能をコントロールする「自律神経」が関係しています。自律神経の種類と食欲への影響は以下の通りです。
自律神経の種類 | 食欲への影響 |
副交感神経 | 心身がリラックスしているときに優位にはたらく
食欲が増加しやすい |
交感神経 | 緊張や興奮しているときに優位にはたらく
食欲がわきにくくなる |
食欲がわきにくくなる交感神経は、身体を動かすことで活発になります。
生理前から生理中にかけて食欲が増加しているときは、スクワットやストレッチといった軽い運動を取り入れてみましょう。
景色を楽しみながらの散歩やジョギングも、気分転換になりおすすめです。
栄養の多い間食をする
生理前は味覚が鈍感になり、甘いものや塩分・脂質の多いものを食べたくなりがちです。
無理に食欲を我慢してもストレスが溜まり、反動でドカ食いをしてしまう場合があります。気を紛らわせても何か食べたくて落ち着かない時には、栄養の多い間食を摂りましょう。
どうしても食欲を抑えられない場合は、ナッツや小魚といった栄養が豊富で、手軽に用意してつまめる食品がおすすめです。
特に、アーモンドにはセロトニンの原料となるトリプトファンが含まれているので、生理中にイライラしがちな人に適しています。
スナック菓子やケーキ、チョコレートなどはカロリーや脂質が多く、血糖値の変動を招くので控えましょう。
チートデイを設ける
生理前に食べたいものを我慢してばかりいても、ストレスが溜まってしまいます。ときには、好きなものを食べられるチートデイを設けましょう。
もしもチートデイで食べ過ぎてしまったとしても、翌日から2日間は食事の量を減らして調整すれば問題ありません。トータル3日で食事量が平均的になるようにすれば、チートデイの食べ過ぎたカロリーも相殺されます。
チートデイによる食事で、そのまま食欲が止まらなくなることを懸念する人には、チートデイの翌日にファスティングすることがおすすめです。
野菜スープやスムージーなど、罪悪感なく摂取できる低カロリーなものを中心に過ごせば、食欲をコントロールしやすくなります。
食欲を抑えるツボを押す
生理前から生理中にかけて食欲が止まらないときは、ツボを押すのも有効です。
生理前の食欲を抑えるのに役立つツボの場所や効果を確認してみましょう。
ツボの名前 | 場所 | 期待できる効果 |
神門(しんもん) | 耳の上側のくぼみのキワ | イライラを抑える |
飢点(きもん) | 耳の内側 | 食欲を抑える |
ツボ押しは道具が必要ないので、場所やタイミングを選ばずに気軽に取り組めるのが魅力的です。ただし、速効性のある対処法ではありません。
ツボ押しは、食事の15分前などに実施すると良いでしょう。
生理前で食欲が止まらないときにおすすめの食べ物
生理前は心身の不調を自覚しやすく、ストレス解消のためについ食欲が増進してしまうケースは少なくありません。
生理前で食欲が止まらないときは、以下の食べ物を積極的に摂取してみましょう。
- 栄養価の高い食べ物
- イソフラボンを多く含む食べ物
- カリウムを多く含む食べ物
- 水分の多い食べ物
上記4種類の食べ物を解説するので、食生活の見直しにお役立て下さい。
栄養価の高い食べ物
生理前に食欲が止まらないときは、良質なたんぱく質の摂取を心がけましょう。
たんぱく質はエネルギー源となるだけでなく、女性ホルモンを作り出す原料にもなります。血液や筋肉、臓器を作り出す作用があるので、貧血体質の人にはぴったりです。
また、赤身の肉はセロトニンの原料となるトリプトファンを含んでおり、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。
1食あたり、およそ片手1杯分を目安に摂取しましょう。
イソフラボンを多く含む食べ物
イソフラボンは、生理前に分泌量が減ってしまうエストロゲンと分子構造が似ています。
作用も似ているため、イソフラボンを多く含む食べ物を摂ることで、ホルモンバランスが整いやすくなります。
イソフラボンを多く含む食べ物は以下の通りです。
- 納豆や豆腐、おから
- 味噌や醤油
- 豆乳
イソフラボンは大豆や大豆の加工食品に多く含まれています。たんぱく質やカルシウムも豊富に含まれていて、いずれも手軽に取り入れやすい食品です。
バナナやほうれん草と一緒に、豆乳でスムージーを作って飲むと、カリウムとイソフラボンを同時に摂取できます。
また、仕事や学校で忙しかったり、体調不良で料理をする気力が湧かなかったりする場合、コンビニやスーパーで豆乳を購入する方法もおすすめです。
バナナや紅茶、コーヒーなど、さまざまなテイストの豆乳が売られているので、飽きずに毎日続けやすいでしょう。
カリウムを多く含む食べ物
カリウムは体の中にたまった余分な水分の排出を流す栄養素で、生理前のむくみ解消に役立ちます。
カリウムを多く含む食べ物は以下の通りです。
- バナナやキウイ、ぶどうといった果物
- アボカド
- さつまいもやほうれん草
果物でカリウムを摂ろうとする場合、ドライフルーツよりも生食の方がより効果的です。
また、間食として蒸したさつまいもを食べると腹持ちも良く、生理前の便秘対策も期待できます。自然な甘みがある食品が多いため、「甘いものをどうしても食べたい」という欲求を満たしやすいのも魅力的です。
水分の多い食べ物
生理前はむくみやすさを気にして、水分摂取を控えてしまう人が少なくありません。
しかし、水分を摂らないと血流が滞り、かえってむくみやすくなります。冷たい水分は身体を冷やしてむくみにつながるため、温野菜を摂取すると良いでしょう。
温野菜を摂取する際に注意したいのは、ドレッシングや調味料をかけ過ぎてしてしまうと塩分過多になる点です。
減塩タイプのドレッシングや調味料を使ったり、ゆずや大葉といった香味野菜もあわせたりすることで、塩分の摂取を抑えやすくなります。
野菜はカリウムが豊富で低カロリーで、ダイエット中の人にもおすすめです。
生理前に食欲が止まらない人のよくある質問
ここでは、生理前に食欲が止まらない人のよくある質問を解説します。
- 生理前の食欲は我慢しないほうがよい?
- 生理前に食べてはいけないものはある?
- 生理前に体重はどれだけ増える?
上記3つの質問にお答えします。ぜひ、疑問の解決に役立ててみましょう。
生理前の食欲は我慢しないほうがよい?
生理前の食欲を我慢しすぎると、ストレスによってドカ食いにつながるおそれがあります。
しかし、好きなものを好きなだけ食べ続けても、体重増加による生活習慣病のリスクが上がってしまいます。
低カロリーなものを摂取したり、運動や趣味を楽しんで気を紛らわせたりすることで、できるだけストレスをかけずに節制できます。
加えて、先述した通り、チートデイの翌日から2日は食事量を減らすといった調整も大切です。
生理前に食べてはいけないものはある?
生理前にアルコールやカフェイン、塩分の多い食事を摂りすぎると、PMSの症状がひどくなるおそれがあります。
また、血糖値の急激な変化を生じさせるため、糖質は摂りすぎないようにしましょう。
ただし、摂取カロリーや体重を気にするあまり、糖質を過度に摂取しない状態も、PMSの症状を悪化させる要因です。
適度に糖質を摂ることも、健康維持には欠かせないことを理解しましょう。
生理前に体重はどれだけ増える?
生理前は、2~3kg体重が増えるケースが一般的です。
中には3~4kg体重が増加する人もいますが、生理が始まれば自然と体重は元に戻るので心配はいりません。
生理前に体重が増える主な原因は、むくみや便秘、食欲増進による食べすぎです。
生理前の体重増加を気にしすぎると、かえってストレスが溜まってしまい、イライラから食欲が抑えられなくなってしまうこともあります。
体重が気になってしまう人は、生理が終わるまで体重計に乗るのは控えるのも有効な手段の1つです。
生理前で食欲が止まらないときは抑える工夫が重要
生理前は女性ホルモンのバランスが乱れるため、食欲増進を始めとした様々なPMS症状が現れます。
血糖値を安定させるために食事を小分けにしたり、趣味の時間や運動を楽しんだりすることで、食欲を抑える効果が期待できます。
また、カリウムやイソフラボンを多く含む食べ物や、栄養価の高い食べ物の摂取も欠かせません。
生理前で食欲が止まらない時は、自分に合った方法で上手くコントロールしながら乗りきりましょう。