Bi'laxsコラム
妊娠線はいつからできる?原因や予防する方法も解説
この記事では、妊娠線がいつからできるのか、主な原因やできやすい場所などを詳しく説明します。さらに、妊娠線ができやすい人の特徴や予防・改善する方法も徹底解説します。
自分に合った方法で妊娠線を予防して妊娠・出産後もキレイな肌を保ちたい人は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること】
● そもそも妊娠線とは?
● 妊娠線はいつからできる?
● 妊娠線ができる主な原因
● 妊娠線ができやすい場所
● 妊娠線ができやすい人の特徴
● 妊娠線を予防・改善する方法
● 妊娠線に関するよくある質問
そもそも妊娠線とは?
妊娠線の正式名称は”線状皮膚萎縮症”であり、妊娠中の急激な体の変化で生じる肉割れ線のことです。痒みを自覚する人もいますが、無症状で気づいたら妊娠線ができているケースは珍しくありません。
また、似たようなケースで”正中線”が存在します。ここでは、妊娠線と正中線との違いを詳しく解説します。お腹にできている線がどちらのタイプかを確認しましょう。
正中線との違い
妊娠線と正中線は、生じる理由や場所、見た目などが異なります。
妊娠線は、胎児の成長とともにお腹が大きくなったとき、肌が急激に引っ張られることで生じる亀裂です。 妊娠線は、赤紫色や白色をしています。
一方、正中線は、生まれたときからすでに体にある線で、へその下から恥骨の下にかけて現れます。メラニン色素の生成量の増加により目立つようになり、黒や茶褐色をしています。
濃くはっきり出ると、産後に消えないことを心配する人も少なくありません。しかし、正中線は出産後に次第に消えていきます。
妊娠線はいつからできる?
妊娠線は、体型の変動が大きい妊娠中期以降にできやすくなります。なぜなら、皮下脂肪が増えたりお腹のふくらみが大きくなったりすると、皮膚の表面が引っ張られるからです。
特に、妊娠7ヶ月以降は、お腹の胎児の体重が1ヶ月で500gも増加するケースは珍しくありません。また、つわり症状が落ち着き、食欲が戻り始めるのも妊娠中期ごろです。
食べ過ぎは活動量の低下と相まって、皮下脂肪の増加による妊娠線につながります。
中には、妊娠初期から妊娠線ができ始める人もいるため、妊娠初期からケアを始めることがおすすめです。
妊娠線ができる主な原因
妊娠線ができる主な原因は、以下の通りです。
- ホルモンの影響で皮膚が割れやすくなっているから
- 急激な体型変化に皮膚が適応できないから
上記2つの原因を詳しく解説するので、確認していきましょう。
ホルモンの影響で皮膚が割れやすくなっているから
妊娠中の女性は、副腎皮質ホルモンの分泌量が増加したため、妊娠前よりも肉割れを起こしやすくなっています。
副腎皮質ホルモンの作用によって、皮膚の基礎代謝やコラーゲンの生成が抑制されます。
本来、肌は”ターンオーバー”と呼ばれる28日程度の周期を繰り返しながら、新しく生まれ変わることが一般的です。しかし、副腎皮質ホルモンの作用でターンオーバーが抑制されると、伸縮性の弱まった古い肌が留まります。真皮に柔軟性を与えるコラーゲンの不足も加わり、肌が体型の変化に合わせて伸縮できません。
急激な体型の変化がないのに妊娠線ができてしまった場合、副腎皮質ホルモンの影響を強く受けている可能性があるでしょう。
急激な体型変化に皮膚が適応できないから
妊娠線ができる主な原因の1つは、急激な体型変化に皮膚が適応できないからです。
皮膚は肌表面側から、”表皮”、”真皮”、”皮下組織”の3層で構成されています。それぞれの特徴を下記の表にまとめました。
表皮 | ● 最も伸縮性が高い
● 普段”肌”として目に見えている部分 |
真皮 | ● コラーゲンやエスラチンといった肌の弾力成分を含む |
皮下組織 | ● 皮膚の最下層にあたる部分
● 脂肪を蓄えやすい |
妊娠中に急激な体重増加が起こると、脂肪が蓄えられた皮下組織は膨張します。
表皮や真皮は皮下組織の膨張によって引っ張られるものの、真皮は伸縮性が低く裂けてしまいます。裂けた真皮は完全に修復されないため、出産後も肉割れの跡が残るでしょう。
ただし、表皮は柔軟性や伸縮性が高いため、仮に真皮が裂けても肌表面に出血や痛みが伴うことはありません。
お尻や太ももの裏側など、目につきにくい箇所に妊娠線ができてしまうと、自分で気づくことは困難といえます。
妊娠線ができやすい場所
この項目では、妊娠線ができやすい場所を解説します。
- お腹
- 下半身
- 腕のまわり
- バスト
上記4つの場所を詳しく解説するので、普段のお肌のケアの参考にしてください。
お腹
お腹は妊娠によって大きく体型が変化するため、最も妊娠線ができやすい場所です。特に、急激に胎児が成長する妊娠中期以降は、皮膚へ負担がかかります。
また、自分では見えにくいお腹の下側だと、出産後にお腹が凹んでから妊娠線の存在に気づく人が少なくありません。
目に見えている部分だけではなく、お腹全体をしっかりケアすることが大切です。
下半身
妊娠中は骨盤が開き、お尻や太ももに脂肪がつきやすくなります。
お腹同様に妊娠線ができやすい場所であるといえるでしょう。
腕のまわり
腕はお腹や下半身に比べて妊娠による大きな変化が起こりにくい場所ですが、腕のまわりに妊娠線ができる場合があります。
元々腕のまわりに脂肪がつきやすい人は注意しましょう。
バスト
妊娠してバストアップすると、皮膚が引き延ばされて妊娠線につながります。
お腹の張りにつながることを心配して、バストケアを怠る人も少なくありません。しかし、バスト全体を保湿する程度であれば問題ないといえるでしょう。
保湿と同時に乳輪や乳房のマッサージをしたい場合も、マッサージは妊娠中期まで控え、お腹の張りを感じたらすぐにやめてください。
妊娠線ができやすい人の特徴
妊娠線ができやすい人には、主に下記の6つの特徴があります。
- 乾燥肌の人
- 多胎妊娠の人
- 急激な体重増加が目立つ人
- 経産婦の人
- 高齢出産の人
- 小柄・やせ型の人
あてはまるものがあるかチェックしてみましょう。
乾燥肌の人
乾燥肌の人は肌そのものの柔軟性が低下しているため、最も柔軟性の低い皮膚層である真皮はダメージを受けやすくなっています。体型の変化に真皮がついていけずに、裂けてしまいます。
冬場は空気と共に肌も乾燥しやすいため、しっかり保湿しましょう。
また、アトピー性皮膚炎の人は肌が乾燥していてダメージを受けやすくなっているため、特に注意してください。
多胎妊娠の人
双子などの多胎妊娠では単胎妊娠よりもお腹が大きくなりやすいため、お腹の表面が大きく引き延ばされます。
元々、真皮は水平方向の伸縮力が低いため、お腹が前側に大きくせり出すと肌が横に引っ張られて妊娠線ができやすくなります。
急激な体重増加が目立つ人
妊娠中の急激な体重の増加が目立つ人は、妊娠線ができやすい傾向があります。特に、臨月に入ると急激にお腹が大きくなるため、出産間際に妊娠線ができてしまう人は少なくありません。
経産婦の人
経産婦は初産婦よりもお腹が大きくなる傾向にあるため、妊娠線ができやすいといえます。
また、お腹がふくらみ始める時期も、初産婦よりも早いケースが少なくありません。最初の妊娠では妊娠線ができなかった人も、2回目以降の妊娠では妊娠線ができる場合があります。
高齢出産の人
高齢出産の人も、妊娠線ができやすいでしょう。
加齢に伴い皮膚の弾力性や伸縮性が低下します。そのため、高齢出産の人は真皮が表皮や皮下組織の伸びに追いつけず、肉割れを起こしてしまいます。
小柄・やせ型の人
小柄・やせ型といった元々の体格も、妊娠線のできやすさに影響する要因です。
小柄な人は骨盤が小さいため、胎児が成長してくるとお腹が前側にせり出して大きくなります。
また、元々やせ型の人も元々お腹の皮膚の表面積が小さいため、妊娠によってお腹の表面積が大きくなりやすいといえます。
急激にお腹がふくらむことで真皮が裂けて、妊娠線ができてしまいます。
妊娠線を予防・改善する方法
妊娠線は、適切なケアを行ったり生活習慣を見直したりすることで、予防・改善を目指せます。
- リラックスできる方法を見つける
- 入念に保湿ケアする
- 妊娠初期からのケアを心がける
- 急激な体重の増加に注意する
- マッサージやトレーニングを取り入れる
- 医療機関や専門のクリニックを受診する
上記6つの予防・改善方法を解説するので、取り入れてみましょう。
リラックスできる方法を見つける
ストレスを解消してリラックスできる方法を見つけましょう。
妊娠線の原因となる副腎皮質ホルモンの1種に、”コルチゾール”と呼ばれるストレスホルモンがあります。コルチゾールはストレスに反応して分泌されます。
妊娠中の女性は、ホルモンバランスが乱れて情緒が不安定になりやすい上、つわりや腰痛といったマイナートラブルにも悩まされるでしょう。
さまざまな要因でストレスを感じた結果、副腎皮質ホルモンの1種であるコルチゾールが分泌され、健康的な状態の肌を保ちにくくなってしまいます。
ストレスの少ない生活は心身の健康だけでなく妊娠線の予防にもつながるため、できるだけストレスを感じないようにリラックスして過ごすことが大切です。
リラックスできる方法は人それぞれであるため、妊娠中でも負担なく楽しめる方法を見つけましょう。
入念に保湿ケアする
乾燥した皮膚は柔軟性が低下して些細な刺激で割れやすくなるため、入浴後や朝のスキンケアタイムに保湿ケアをして、柔軟な肌をキープしましょう。
潤った肌は柔軟性があるため、お腹が大きくなる際に皮膚が伸縮して妊娠線の予防に役立ちます。
保湿アイテムは、以下のように肌の状態に合わせたものを選ぶことがおすすめです。
テクスチャ― | 特徴 | おすすめの人 |
クリーム | ● 肌に潤いを与えて保てる
● 伸びにくいが保湿力が高い |
● 乾燥肌の人
● しっかり潤いを保ちたい人 |
オイル | ● 全身の潤いを保てる
● 潤いを与える作用が少ないため、ローションとの併用がおすすめ ● オーガニック由来のものもある |
● 入浴後に保湿ケアをしたい人
● 敏感肌の人 |
ローション | ● さっぱりとしたつけ心地 | ● 肌の乾燥が気にならない人
● ベタベタしたつけ心地が苦手な人 |
夜はクリームやオイルでしっかりと保湿し、朝はさらっとしたローションで水分を補うなど、自分の肌の状態に合わせて併用するとよいでしょう。
また、「冬場は空気の乾燥が気になって保湿を念入りに行うけれど、夏場はつい保湿が億劫になりがち」という人は少なくありません。
しかし、乾燥があまり気にならない季節でも妊娠中の女性の肌は乾燥しやすくなっているため、念入りな保湿ケアが大切です。
妊娠中は肌が敏感になりやすく、肌荒れを起こしてしまうケースもあります。
市販のボディクリームに比べて妊娠線を予防するクリームは肌に優しい成分で作られている点が特徴です。無香料や微香料のものが多く、匂いに敏感になっている妊娠初期から使いやすい点も魅力です。
浸透力が高く真皮まで潤いを届けるため、市販のボディクリームよりも妊娠線の予防効果が期待できるでしょう。
妊娠初期からのケアを心がける
妊娠初期のうちから妊娠線のケアを心がけましょう。妊娠線ができ始めた場合でも、ケアを取り入れることで悪化予防に役立ちます。
しかし、妊娠初期は体調が不安定になりやすいため、体調がケアよりも悪いときは体調を優先してください。
急激な体重の増加に注意する
妊娠中は短期間で急激に体重が増えないように、体重管理に気を配りましょう。
つわりが落ち着く妊娠中期や胎児が下がってくる出産予定日前は、食欲が高まり急激な体重増加を招くおそれがあります。
ただし、過度な食事制限や激しい運動によるダイエットで体重を管理しようとすると、胎児の健全な発育を妨げてしまうことも考えられます。
胎児の健やかな成長のためにも、バランスの整った食事でカロリーをコントロールし、適切な体重増加を保ってください。
マッサージやトレーニングを取り入れる
保湿のほかにマッサージやトレーニングを取り入れることで、妊娠線予防が期待できます。
妊娠線の予防に役立つマッサージの手順は以下の通りです。
- 保湿クリームやオイルをたっぷり手にとり、お腹全体を撫でるように時計回りに広げる
- お腹を下から上に向かって優しく撫で上げる
- お尻や太もも、二の腕、バストも保湿しながら優しくマッサージする
また、軽く汗が出る程度の運動も妊娠線の予防に有効です。新陳代謝が上がることで皮膚のターンオーバーが促され、古い角質が剥がれ落ちやすくなります。
古い皮膚より新しい皮膚の柔軟性が高いため、妊娠線ができにくくなるでしょう。1日15分から1時間程度の運動を取り入れ、過度な運動やお腹に負担のかかる運動は避けてください。
体調が優れない日は無理して運動は行わず、身体をしっかり休めることも大切です。
医療機関や専門のクリニックを受診する
妊娠線ができてしまった場合、形成外科や美容皮膚科といった医療機関・クリニックでの治療を検討してみましょう。
妊娠線ケアに役立つ施術は以下の通りです。
フラクショナルレーザー | 真皮に対して点状のエネルギーを照射して、コラーゲンやエスラチンの産生を促し、真皮の回復を目指す |
ダーマペン | ペン状の機器で皮膚に小さな傷を作って成長因子を流し込み、皮膚の再生を促す |
炭酸ガス治療 | 皮下組織に注射針で炭酸ガスを注入し、真皮の血流改善や皮膚の代謝アップをサポートする |
産後、妊娠線は次第に白っぽく目立ちにくくなりますが、妊娠前のようなキレイな肌に戻ることは難しいといえます。
妊娠線が目立っているから温泉やプールを楽しめそうにないと感じている人は、医療機関や専門のクリニックに相談してみるとよいでしょう。
妊娠線に関するよくある質問
最後に、妊娠線に関するよくある質問を紹介します。
- 妊娠線ができたショックから立ち直る方法は?
- 妊娠線のできはじめは自然に消える?
- 妊娠線はできはじめから色が変化する?
上記3つの質問にお答えするので、疑問の解消にお役立てください。
妊娠線ができたショックから立ち直る方法は?
妊娠線で悩む女性は珍しくないため、気軽に話せる友人に相談してみることがおすすめです。
妊娠線ができてしまってショックを受けたことをパートナーに相談しても共感してもらえなかったり、心ない言葉をぶつけられたりするケースもあります。
同じ悩みを持つ友人同士で話すと気持ちが楽になり、安心できることもあるでしょう。
しかし、妊娠線を受け入れられない女性も一定数います。セルフケアで妊娠線が薄くならない場合、医療機関で妊娠線を目立ちにくくする施術を検討しましょう。
妊娠線のできはじめは自然に消える?
できてしまった妊娠線が、自然とキレイに消えることはありません。時間の経過に伴って次第に目立ちにくくなるものの、妊娠前と同じ状態に戻るのは困難といえます。
そのため、妊娠初期から念入りに保湿ケアを実施し、妊娠線の予防に努めることをおすすめします。妊娠線ができかけていることに気づいた場合、保湿やマッサージを続けて悪化を防ぐことが大切です。
妊娠線はできはじめから色が変化する?
でき始めたばかりの妊娠線は、赤紫色やピンク色であることが多いものの、次第に妊娠線は黒ずむようになり、産後は白っぽい色へと変化します。
妊娠線ができてしまったからといって、すぐに諦めてしまう必要はありません。妊娠線へのケアを続けることで、妊娠線が目立ちにくいキレイな肌を目指せます。
また、産後に腹筋を戻すトレーニングを十分に行うことで、何もしない状態より目立ちにくくなる効果が期待できます。
妊娠線がいつからできるのか把握して予防法を実践しよう
妊娠線は、妊娠中期以降に急激な体型の変化によって起こる場合が多いものの、中には妊娠初期から妊娠線に悩まされる人もいます。
乾燥肌や多胎妊娠、高齢出産など妊娠線ができやすい条件に当てはまる人は、特に注意が必要です。
妊娠線が1度できると元のキレイな肌に戻ることは難しいため、保湿ケアやマッサージ、体重管理などで妊娠線を予防しましょう。
妊娠線ができてしまった場合も、ケアを続けて目立ちにくい状態を目指すことが大切です。どうしても妊娠線が気になる場合、形成外科や美容皮膚科などの医療機関への受診を検討してください。