Bi'laxsコラム
生理中に納豆を食べてもいい?主な栄養素やその他におすすめの食べ物も
この記事では、生理中に納豆を食べても良いかについて解説します。
生理中は、身体に起こるさまざまな不調を理由に、食べられるものが少ないという人が多くいるでしょう。生理中に良い食べ物と避けるべき食べ物を把握しておくことは、生理による不調緩和に効果的です。
この記事では、生理中に納豆がおすすめな理由や納豆以外に摂取するべき食べ物を解説します。
生理中の摂取を避けるべき食べ物も併せてお伝えするので、生理中の身体の悩みを解消したいという人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】
● そもそも生理中に起こる身体の不調とは?
● 生理中に納豆がおすすめな理由
● 納豆に含まれる栄養素と生理中の効果
● 生理中に納豆を無理なく食べられるレシピ
● 納豆以外で生理中に摂取したほうが良い食べ物
● 生理中に摂取を避けたい食べ物
そもそも生理中に起こる身体の不調とは?
生理中の女性は、さまざまな不調に悩まされています。
- 生理痛
- 頭痛
- 貧血・めまい
- 不安定な精神状態
ここでは、どのような不調が生じやすいかを確認してみましょう。
生理痛
子宮内膜が剥がれ落ちて血液とともに排出するには、子宮の収縮が必要です。子宮を収縮させる”プロスタグランジン”という物質が過剰に分泌されると、下腹部痛や腰痛を引き起こします。
また、子宮の周りの血流が悪くなったり周囲の靭帯が引っ張られたりすることで、生理痛は悪化する傾向にあります。 生理痛は、その程度に個人差がある点が特徴です。なかには、日常生活に支障をきたすほどの痛みが生じる人もいます。
子宮内膜症や、子宮筋腫などの婦人科系疾患が要因し生理痛が悪化しているケースが考えられるので、生理痛がひどい場合はかかりつけの婦人科を受診しましょう。
頭痛
生理中に起こる頭痛の1つは”月経関連片頭痛”です。
生理前になると、”エストロゲン”という女性ホルモンが減少し始め、”セロトニン”という神経伝達物質の分泌量も減少します。
セロトニンには血管を収縮する作用があるため、生理前から生理中にかけては脳の血管が広がりやすくなります。
その結果、頭の片側やこめかみに脈打つような痛みを感じるのが、月経関連片頭痛です。なかには、吐き気を伴ったり光や音に対して過敏になったりするケースもあります。
また、生理中は子宮に血液が集まるため、脳などの他の器官では血液量や酸素量が不足します。
脳への血液量や酸素量が不足して後頭部や首の筋肉がこわばる”緊張型頭痛”も、生理中に起こりやすい症状の1つです。
貧血・めまい
生理中に血液中の鉄分が失われることによって、”鉄欠乏性貧血”が起こりやすい傾向にあります。
生理中は経血が体外へ排出され、全身の血液量が減少します。鉄分は酸素を運搬する”ヘモグロビン”の材料となるため、生理中は全身に十分な酸素が行き届きません。
その結果、疲労感やめまい、頭痛などの貧血症状が起こります。
また、”プロゲステロン”という女性ホルモンには、体内に水分を溜め込む作用があります。生理前にプロゲステロンの分泌量が増加することが、生理前に起きやすいむくみの原因の1つです。
生理が始まると、プロゲステロンの分泌量が減少して体内に溜め込まれた水分が排出されます。
水分と共に血液量が減少することで血圧が低下し、脳に十分な酸素が届き難くなる”脳貧血”を引き起こします。
不安定な精神状態
一般的に女性が精神的に不安定になりやすい時期は、生理前といわれています。エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少し、イライラや不安感などが高まりやすいからです。
生理が始まると、精神状態は比較的落ち着く傾向にあります。しかし、以下のような原因でストレスを感じ、女性ホルモンのバランスが崩れる人も多くいます。
- 生理痛や頭痛
- 経血の漏れへの心配
- 鉄分不足によるセロトニンの分泌量低下
- 見た目の変化へのコンプレックス
- 疲労や身体の不調
女性ホルモンのバランスが乱れている人は、生理が始まっても不安定な精神状態が続きやすいでしょう。
生理中に納豆がおすすめな理由
納豆は大豆から作られた発酵食品で、女性に嬉しい成分が豊富に含まれています。
特に、生理中に不足しがちな栄養素や生理痛の緩和に役立つ成分が多く、生理中の女性の強い味方だといえます。
また、月経前症候群(PMS)の症状緩和も期待できるため、生理中だけでなく普段から積極的に摂りたい食べ物です。
納豆に含まれる栄養素と生理中の効果
納豆に含まれる栄養素と、生理中の効果は以下の通りです。
- イソフラボンが生理痛を和らげる
- マグネシウムが子宮の収縮を抑える
- 食物繊維が腸内環境を整える
- 鉄分が経血による不足を補う
上記4点の効果を解説するので、気になる不調を解消できるか確認してみましょう。
イソフラボンが生理痛を和らげる
納豆に含まれている”イソフラボン”は、エストロゲンに似た働きをするとされています。生理中にエストロゲンの分泌量が少なくなることは、生理痛を引き起こす原因の1つです。
積極的にイソフラボンを摂取すれば、減少しているエストロゲンを補えて生理痛の緩和を期待できます。
また、納豆だけでなく、大豆製品である豆乳もイソフラボンがたっぷり含まれた食品です。
マグネシウムが子宮の収縮を抑える
マグネシウムは豆類に多く含まれており、納豆1パックあたりに50mg程度含まれています。
筋肉の収縮を調整する作用があり、生理痛の原因となる子宮収縮を抑える効果を期待できます。
生理中に悩んでいる人には、マグネシウムを豊富に含んでいる食べ物がおすすめです。
食物繊維が腸内環境を整える
食物繊維はイモ類や海藻類に多く含まれていますが、納豆などの豆類にも豊富に含まれています。
納豆のねばねばとした成分の正体は”不溶性食物繊維”です。これらの食物繊維を積極的に摂取することで、お腹の調子を整えるのに役立ちます。
生理前には、プロゲステロンの分泌量が高まり便秘症状に悩まされるというケースがあります。
便秘によって腸内の老廃物がたまると、生理痛やPMSの悪化につながるでしょう。
納豆を摂取して腸内環境が整うと、生理中の不調緩和を期待できます。
鉄分が経血による不足を補う
生理中は経血によって鉄分が失われやすいため、鉄欠乏性貧血が起こりやすい状態にあります。
納豆に含まれているのは”非ヘム鉄”という植物性鉄分で、吸収率が低いという難点があります。
しかし、非ヘム鉄はビタミンCと併せて摂取すると吸収率が高まるため、ビタミンCを多く含む食べ物と組み合わせて摂取しましょう。
生理中に納豆を無理なく食べられるレシピ
ここでは、生理中に納豆を無理なく食べられるレシピを紹介します。
- 納豆の梅昆布和え
- 納豆とごまのお粥
- アボカド納豆
上記4つのレシピについてわかりやすく解説するので、生理中に積極的に納豆を食べたい人はチェックしましょう。
納豆の梅昆布和え
納豆の梅昆布和えは、納豆1パックに対して梅干し2個とひとつまみの塩昆布を加え、さっと和えるだけで簡単に作れます。
加熱調理の必要がないので、体調が悪い生理中や忙しい朝にもぴったりです。
お好みでごま油をかけたり海苔をかけたりすると、風味がよくなります。ご飯にかけてどんぶりにすれば、食べ応えも抜群でしょう。
納豆とごまのお粥
お粥は体を温めるだけでなく、胃腸にも負担がかかりにくいため生理中の女性におすすめです。
付属のたれを混ぜ入れたひきわり納豆とご飯・ゴマ・麺つゆ・水を耐熱容器に入れます。
ふんわりとラップをかけて600Wで3分程度加熱し、そのまま3分放置してから食べましょう。
加熱した納豆の風味が苦手な人は、お好みで刻み葱を添えると食べやすくなります。
アボカド納豆
アボカド納豆はヘルシーで食べ応えがあり、副菜やおつまみにピッタリのメニューです。
納豆にオイスターソースや豆板醤、マヨネーズや鶏ガラスープの素、砂糖を加えて混ぜ合わせます。1口大に角切りしたアボカドにさっと和え、皿に盛り付けた後はお好みで刻み葱や白ごまを飾り付けましょう。
オイスターソースや鶏ガラスープの素によるコクを感じられるうえ、豆板醤のピリッとした辛みがクセになります。
納豆以外で生理中に摂取したほうが良い食べ物
「納豆以外にも生理中の不調を和らげる食べ物はあるの?」と疑問に感じている人は少なくありません。納豆以外で生理中に摂取したほうが良い食べ物は、以下の通りです。
- 身体を温める食べ物
- ビタミンEが多い食べ物
- マグネシウムが多い食べ物
- 鉄分が多い食べ物
上記4点の食べ物について詳しく解説していくので、普段の食生活に取り入れてみましょう。
身体を温める食べ物
生理が始まると、体温を上げる作用を持つプロゲステロンの分泌量が減少します。
基礎体温が下がって全身の血流が滞るため、体の冷えが気になりやすい時期です。
体の冷えは生理痛の悪化を招くため、身体を温める食べ物を積極的に摂りましょう。
身体を温める食材には、以下が挙げられます。
- 黒糖や胚芽米などの未精製の食材
- にんじんやれんこん、ごぼうやほうれん草などの冬が旬の食材
- 味噌などの発酵食品
- ココア
また、温かいハーブティーにはリラックス効果があります。精神症状の緩和も期待できるので、冷えが気になる人以外にも、生理中に精神的に不安定になりやすい人におすすめです。
※参考:冷え対策!体をあたためる食材、冷やす食材丨働く女性の心とからだの応援サイト
ビタミンEが多い食べ物
ビタミンEには、鉄分の吸収をサポートする働きがあります。
また、血行を促進して酸素を取り入れやすくなるため、貧血症状の緩和も期待できるでしょう。 ビタミンEが多い食べ物は以下の通りです。
- 小麦胚芽油やひまわり油などの植物性油脂
- アーモンドやピーナッツ、ヘーゼルナッツなどのナッツ類
- ほうれん草やブロッコリなどの緑色野菜
また、ビタミンEには抗酸化作用があるため、健康的な細胞を保つ効果や老化を防止する効果も期待できます。
貧血症状を和らげたい人や若々しく過ごしたいという人は、ビタミンEが多い食べ物を積極的に摂りましょう。
※参考:ビタミンE丨厚生労働省eJIM
マグネシウムが多い食べ物
マグネシウムには子宮の収縮を抑える作用があるため、生理痛緩和に役立ちます。
納豆にも豊富に含まれていますが、以下のような食べ物に多く含まれています。
- あおさやあおのり、昆布などの海藻類
- 大根やほうれん草、ごぼうなどの野菜類
- 豆腐た納豆、きな粉などの大豆製品
マグネシウムが多い食べ物は、特に生理痛がひどい人におすすめです。
鉄分が多い食べ物
鉄分が多い食べ物を摂取すると、経血によって失われた鉄分を補えます。めまいやふらつきなど、生理中の貧血症状に悩んでいる人にぴったりです。
納豆以外に鉄分の多い食べ物は以下の通りです。
- レバーや鶏もも、牛ヒレなどの肉類
- あさりやかきなどの貝類
- 小松菜やほうれん草、大根などの野菜類
なかでも、動物性の鉄分は”ヘム鉄”といわれ、吸収率が高い点が特徴です。植物性の非ヘム鉄だけでなく、ヘム鉄もしっかり摂取しましょう。
また、先述のようにビタミンCを多く含む食品は、鉄分の吸収率アップをサポートします。 ブロッコリーやレモンなど、ビタミンCが豊富な食べ物も組み合わせて摂ることがおすすめです。
生理中に摂取を避けたい食べ物
生理中に摂取すると、身体の不調を招きやすい食べ物があります。
- ジャンクフード
- カフェインが多い食べ物・飲み物
- 冷えた食べ物・飲み物
- アルコール
上記4点の食べ物について解説するので、生理中の食生活で注意してみましょう。
ジャンクフード
ジャンクフードは味付けが濃く、生理前から生理中にかけて嗜好性が高まる人は多くいます。
しかし、食べすぎてしまうと塩分過多によって水分バランスが崩れ、むくみが生じやすくなるでしょう。
また、ジャンクフードに含まれている添加物は血流を悪くさせ、生理痛や頭痛を引き起こすおそれがあります。
ジャンクフードは栄養価が低く、生理中に必要とされる鉄分やカルシウムなどのミネラル、ビタミン類が不足しやすいとされています。
特に貧血気味の人は、ジャンクフードを控えたほうが良いでしょう。
カフェインが多い食べ物・飲み物
生理中は、経血が排出されることで体内の水分が失われた状態です。
カフェインには利尿作用があり、水分が尿として排出されるため、生理中にカフェインを摂取すると脱水症状を引き起こしやすいでしょう。
また、カフェインは血管を収縮させる作用があり、全身の血行不良による冷えを招きます。
生理痛や頭痛を悪化につながるため、生理中のカフェイン摂取はおすすめできません。
そのほかにも、カフェインには神経を刺激して覚醒させる作用があるので、生理中のイライラや不安感を増大させてしまいます。
ノンカフェインのハーブティーやビタミンたっぷりのフルーツジュースなどに切り替え、カフェインが多い飲食物は避けましょう。
冷えた食べ物・飲み物
生理中には、常温もしくは温かい食べ物・飲み物がおすすめです。
生理中に冷たい食べ物や飲み物を摂ると、体が冷えて血流が悪くなります。経血がスムーズに排出されにくくなり、子宮の収縮を促すプロスタグランジンの分泌量を増加させて生理痛の悪化を引き起こします。
また、生理前から生理中にかけて甘いものが食べたくなり、ヘルシーでビタミンが多い果物を摂る女性は少なくありません。
しかし、果物には利尿作用のあるカリウムが多く含まれています。排せつ時に体温が奪われて体が冷えやすくなるので、摂りすぎには注意が必要です。
アルコール
生理中は女性ホルモンのエストロゲンが減少している状態であり、体全体の機能が低下します。
肝臓のアルコール分解能力も低下するため、普段よりもお酒に酔いやすくなるでしょう。
また、アルコールには血管を拡張する作用があり、子宮内膜の血管が拡張されて出血量が増える傾向があります。増えた経血の排出を促すため、プロスタグランジンが多く分泌され、生理痛の悪化につながるでしょう。
生理中はアルコールの摂取量を控えるほか、脱水に陥らないように水分をこまめに摂ると安心です。
生理中の食事に関するよくある質問
ここでは、生理中の食事に関するよくある質問に回答します。
- 大豆製品を食べると子宮内膜が厚くなるって本当?
- 食事後に気分が悪くなるのはなぜ?
順番に見ていきましょう。
大豆製品を食べると子宮内膜が厚くなるって本当?
普段よりも少し多く大豆製品を摂ったからといって、子宮内膜が分厚くなるとは限りません。
納豆1パックあたりに含まれている大豆イソフラボンはおよそ36mg程度です。
食品安全委員会によると、大豆イソフラボンは1日あたり30mgの摂取なら、安全な1日摂取目安量の上限値(70〜75mg)を超えないとされています。
毎日納豆を1パック食べる程度であれば問題ありません。ただし、長期的に大量に大豆製品を摂り続けた場合、子宮内膜増殖症の発症リスクが高くなるとされています。
大豆イソフラボンを1日あたり150mg摂取すると、健康面に影響するおそれがあるため、注意が必要です。
※参考:大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方丨食品安全委員会
食事後に気分が悪くなるのはなぜ?
生理中はプロスタグランジンと呼ばれる物質の分泌量が増加し、胃を収縮させることがあります。胃が強く収縮することで、食欲の低下や気分不快を招く場合が多くあります。
また、女性ホルモンと血糖値を下げるインスリンが影響し合い、生理中の吐き気につながることが考えられるでしょう。
生理開始後から排卵日にかけてエストロゲンが多く分泌されると、インスリンが作用しにくく、血糖値が高くなりやすくなります。
一方、排卵後から生理開始まではプロゲステロンの分泌量が増えて、インスリンが作用しやすくなり、血糖値が下がります。
しかし、月経前症候群や月経困難症などによる強いストレスは、食事量や運動量に影響し、血糖値の増減を招くでしょう。
血糖値の急上昇はその後の急降下を招くため、気分不快につながります。生理中は、消化への負担を考慮して、こまめな間食で血糖値をコントロールすることが大切です。
生理中の不調で悩みがあるなら納豆の摂取がおすすめ
この記事では、生理中に納豆を食べて良いのかを解説しました。
生理中は、生理痛や頭痛、貧血などのさまざまな不調が生じやすくなります。
納豆は、生理中に不足しがちな栄養素や生理痛の緩和に役立つ成分を多く含んでいるので、普段から積極的に摂りたい食べ物の1つです。
今回紹介したレシピを活用して、無理なく納豆を食べ続けてみましょう。納豆以外にも、体を温める食べ物やビタミンEが多い食べ物などを組み合わせて摂ることがおすすめです。
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